ロッテ逸材19歳が残す衝撃数値 高卒離れの新人年…醸す“覚醒”の雰囲気
ロッテ・寺地はプロ1年目から2軍でリーグ2位の打率.290を記録
2023年ドラフトで5位指名を受け、明徳義塾高からロッテに入団した寺地隆成捕手。プロ1年目となった2024年はイースタン・リーグで規定打席に到達し、イースタン・リーグ2位の打率.290を記録。高卒ルーキーとしては規格外の好成績を残した。今回は、寺地のバッティングを深掘りしていきたい。 【動画】スカートお構いなし…女子アナの頭より高い“超豪快足上げ”始球式 初めに、寺地のバッティングの優れた点を紹介したい。まずは球種別のコンタクト率だ。スイングを試みたうちバットに当たった割合を示すコンタクト率は、ストレートと変化球のどちらにおいてもリーグ平均を上回る数字を記録。変化球のコンタクト率は特に優れており、2024年のイースタン・リーグにおける高卒新人の平均と比べて14.6ポイントも高くなっている。大学や社会人、独立リーグ出身の選手ですらプロの壁にぶつかるルーキーが多い中、寺地の対応力の高さを示すデータといえるだろう。 次にゾーン別のスイング率を見ると、ボールゾーンのスイング率は25.5%を記録。リーグ内の高卒新人の平均を9.5ポイントも下回っており、リーグ全体で見ても優秀な数値となっている。一方でストライクゾーンの投球に対しては決して消極的になっておらず、打ちにいくべきボールをしっかりと見極めてスイングを仕掛けることができていたといえる。この優れた選球眼は四球の多さにつながっており、1年目に記録した41四球はリーグ8位の好成績だ。 寺地はコンタクト能力と選球眼の2点において、すでに2軍平均以上の力を持っている。高卒1年目で打率ランキングの上位に食い込んだのもうなずける。 ここからはボールをコンタクトした後に視点を移し、打球の質について見ていく。高校時代から広角に打球を飛ばすバッティングが評価されていたが、プロの試合でも打球方向の偏りは少なく、センターからレフトへの打球がやや多めとなっている。安打に限ると左打者にとって逆方向にあたる、レフト方向の割合が48.5%と大きくなる点が少し気になる。放った2本のホームランもレフト方向への当たりであり、逆方向に長打を飛ばすだけのポテンシャルを持っているともいえるが、一方で引っ張り方向に強い打球を飛ばすことができていないとも考えられる。