ロッテ逸材19歳が残す衝撃数値 高卒離れの新人年…醸す“覚醒”の雰囲気
“未来予想図”は近藤か、坂倉か
さらに、打球性質としては6割以上がゴロで、長打につながりやすいフライ打球の割合は同期の高卒ルーキーと比べても10ポイント以上低い数字となっている。ヒットを打つ能力に優れる寺地が、今後その中身を単打から長打に変えていくためには、引っ張り方向への打球や角度のついた打球を飛ばす力を身につけることが大事になってくるだろう。 最後に、プロ1年目に残した2軍成績を2人の一流選手と比較する形で表にしてみた。広島の坂倉将吾捕手とソフトバンクの近藤健介外野手は、いずれも侍ジャパンでも活躍している日本球界を代表する選手だ。3選手には高卒選手、左打者、入団時のポジションが捕手である、ドラフト順位が上位指名ではなかったなど共通点が多い。 年度の違いなどから単純な比較はできないかもしれないが、3割に迫る打率や三振、四球の割合など、彼らはプロ1年目のシーズンで非常に似通った2軍成績を残している。両先輩の2年目の成績を見ると坂倉選手が打率.329、近藤選手が打率.355とさらに数字を伸ばしている。寺地も2年目で順調に成績を伸ばすことができれば、2人のような一流の打者に成長できるという期待が膨らむ。 シーズンの終盤には1軍の舞台でプロ初安打となる二塁打を放つなど、プロ野球選手として素晴らしいスタートを切った寺地。将来は坂倉のようなチームを攻守でけん引する「打てる捕手」となるか。はたまた近藤選手のように打力を生かして他のポジションへ移り、MVP級の選手へと進化を遂げるのか。無限の可能性を秘める彼の未来を想像しつつ、まずは2025年の活躍に注目したい。
「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部