【オーストラリア】豪10月CPIは2.1%上昇、低水準維持
豪政府統計局(ABS)が27日に発表した10月の消費者物価指数(CPI、実測値)は、前年同月比2.1%上昇だった。市場予想の2.3%上昇を下回った。上昇率は前月から横ばいで、引き続き2021年7月以来の最低水準を維持した形。【NNAオーストラリア編集部】 項目別の上昇率は、◇保険・金融サービス:6.3%◇教育:6.3%◇酒類・たばこ:6%◇娯楽・文化:4.3%◇医療:3.9%◇食品・飲料:3.3%◇家具・住宅設備・住宅サービス:1.6%◇衣服・履物:0.6%◇住宅関連:0.2%――となった。一方、交通は2.8%、通信は0.7%、それぞれ下落した。 「住宅関連」で、電気料金は光熱費支援リベートの影響で35.6%下落した。ABSの価格統計部門長、マーカート氏によれば、電気料金の年間下落幅としては過去最大となった。一方、賃料(6.7%)や新築住宅価格(4.2%)は上昇した。ただ、住宅価格の上昇は鈍化傾向で、上昇率は21年8月以降で最低となった。 ■コアインフレ率は3.5% 全体から価格変動が大きい野菜・果物、自動車燃料、旅行を除いたCPI上昇率は2.4%で、前月の2.7%上昇から減速した。 ただ、オーストラリア連邦準備銀行(RBA)が注視するコアインフレ率(トリム平均値)は3.5%上昇で、前月の3.2%上昇から加速した。 ■利下げの可能性は低い 調査会社キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、スーリヤ氏は、「今回の指標はインフレ率が非常に緩やかに下落していることを示している」と説明。RBAは確実な下落の兆候を求めているため、今回の指標が12月のRBAの金融政策決定会合に影響を与える可能性は低いとした。 エコノミストの利下げ時期の予想は、来年半ばに予定されている連邦選挙以降にシフトしつつある。