【アイスホッケー】愛知で小学生日本一。大学で「キャプテン」を戦った3人。
「あの時の6人が集まってプレーする。 岡山の国スポが楽しみです」(振津)
秋の関東大学リーグ戦では、3人のキャプテンの中で唯一、順当に戦いを終えたのが、慶應の振津青瑚だった。 1部Bで1位通過。Aの7位・8位と、Bの上位4校によるセカンドリーグでも1位でリーグ戦を終えた。慶應は来季の「A昇格」が決定している。 「1部Bのファーストリーグで専修に負けてしまいましたが、そのおかげで練習では緊張感が高まったと思います。キャプテンとしても、役割は果たせたんじゃないかなって。昇格は春からずっと目標だったので、ほっとしています」 インカレの目標はベスト4だ。「順当に行くとベスト16で法政と対戦するんです。これに勝つことがすべてですね。それに勝ったらベスト4に行けるチャンスがある。慶應の歴史に残るインカレにしたいです」 振津は、中学までは中日クラブ、高校は埼玉栄高に進んだ。 「栄はもともと、兄(直弥)が行っていたんです。栄も慶應も、言ってみれば兄の影響です」。小学2年から4年の途中まで、父親の仕事の関係でイギリスで生活していた。愛知から埼玉への寮暮らしも、振津とすれば「慣れていた」のかもしれない。 「栄高校では、他の部員は保健体育科でしたが、僕は普通科でした。でも、3年間は他の部員と同じ過ごし方をしていたんです。高3ではインターハイ(3位)と国体(準優勝)に出場して、2週間後に大学受験。けっこう大変でした」。棚橋と同じように、振津も一般入試で慶應に合格している。 しかし、その先はキャンパスライフを謳歌して…とはいかなかった。高校時代の後半からコロナが出回っていたためだ。これは誰が悪いというものではなく、しかし振津たちの学年がもっとも被害の大きかった年代だった。 「高3の冬に高校が休みになりましたが、思い出づくりになるようなことは何もできませんでした。大学でも、入学して2年間くらいは友達をつくれなかった。慶應は内部進学が多いんです。僕たちのような外部進学は、そもそも知り合いがいないんですよ」 卒業後は棚橋と同様に、金融機関への就職が決まった。「最近、思うんです。僕は本当にアイスホッケーが好きなんだなって。引退したら、卒業後は仕事を中心にして生きていかなきゃならない。今はちょっと、想像がつきません」 2月には、国民スポーツ大会が岡山県で行われる。中日クラブの6人全員が「愛知県」としてプレーするのだ。「今から岡山が楽しみです」。振津はそう言った。