「撮影前に綾野さんと『紅』を」 映画『カラオケ行こ!』主役の齋藤 潤 (16)が綾野 剛からもらったアドバイス
変声期に悩む合唱部の男子中学生と歌がうまくなりたいヤクザの交流をコミカルに描いた和山やまの人気コミックを映画化した『カラオケ行こ! 』。 【画像】齋藤 潤さん。 主人公の聡実役を演じる齋藤 潤は小6で俳優に憧れ、本作のオーディションで綾野 剛の相手役を勝ち取った期待の新星だ。その素顔に迫る。
●スクリーンの向こう側にいる人になりたい!
――幼い頃の夢を教えてください。 元サッカー選手の中西哲生さんが僕の叔父ということもあって、物心ついたときからサッカーが身近な存在にあったんです。それで、小学1年生から6年生まで、地元のチームに所属して、サッカーをやっていたので、将来はサッカー選手になりたいと思っていました。 ――その後、山﨑賢人さんの出演作を観て「演技の仕事をしたい」と思ったそうですね? それまではサッカーばかりで、映画やドラマはほとんど見ていなかったのですが、小学6年生の春に映画『キングダム』を観て、サッカーを超える目標ができたんです。映画館のスクリーンの向こう側にいる人になって、映画を観てくださる方にいろんな感情を与えられるような存在になりたいと思いました。このことが僕にとって、大きな転機になったと思います。 ――その後、母親に相談して、現在の事務所に所属されます。 『キングダム』を2回観に行った後、2019年の夏前ごろ、母に「俳優を目指したい」と伝えたところ、いろんな事務所を探してくれて、オーディションを受けることになりました。それが8月ごろのことで、初めて人前で自己紹介をしたり、踊ったりしました。それで合格して、10月には正式に事務所に入ることになりました。
●目黒 蓮、磯村勇斗の少年時代を好演
――それまで経験がまったくないなかで、演技の仕事はいかがでしたか? 毎週、演技やダンスのレッスンに通いながら感じていたことは、「演じるというのは『キングダム』のような熱いお芝居だけじゃない」ということでした。最初のお仕事は「明治 SAVAS」のウェブCMだったのですが、友だちや周りの人たちからの反応や反響があったことがとても嬉しかったんです。 そこからバラエティ番組の再現VTRなど、少しずついろんなシーンに触れていくことによって、お芝居をすることの楽しさを知っていきました。 ――その後、初めての連ドラ「パパとムスメの7日間」に出演されます。 学校の生徒役でレギュラー出演させていただいたのですが、現場の空気感がとても温かったです。いろいろな俳優の方たちがお芝居されているところを目の前で見ることができ、実際にお話しさせていただく機会もありましたし、いろいろな撮影現場の勉強をさせていただきました。毎日のように通っていたので、撮影が終わったときはすごく寂しかったです。 ――続いて、「トリリオンゲーム」では目黒 蓮さんの少年時代役を、『正欲』では磯村勇斗さんの少年時代役を演じられました。特徴や仕草など、ご本人を意識されるようなことは? 「トリリオンゲーム」のときは事前に、目黒さんがお芝居されている映像を少し見させていただくことができたんです。そこで、目黒さんが演じる陽の特徴を捉えて、監督にアドバイスしていただきながら、少しずつ寄せていきました。台本を読んだときに感じたパワフルさを基本に、目黒さんの笑い方などを意識しました。 その前に撮影していた『正欲』では、セリフがない中、僕がまだ出会ったことがない感情を表現しなければならなかったので、「どうしよう?」と思っていました。でも、監督が「あえて似せようとしないで、思ったままでいいよ」と言ってくださったので安心しました。監督のおかげで演じられましたが、完成した映画を観たときに、改めて役の重要さと難しさを理解しました。