ジョブズが「点と点は、後からでしかつなげない」と言った理由。米人気司会者のキャリア形成術に学ぶ
大人気司会者に学ぶ「点と点のつなぎ方」
たとえば、カート・メネフィー。アメフトファンなら誰もが知っていますが、メネフィーはアメリカでもっとも注目されるNFL(プロアメリカンフットボールリーグ)の試合前の番組「Fox NFL Sunday」とともに、Foxの試合後の番組「The OT」でも司会を務める人物です。チャンピオンズリーグでも、全米オープンでも、UFC(総合格闘技団体)でも番組で司会を務めたことがあります。 さらにうえに登り詰めるというのは、すでにトップに達している場合には難しいものです。 ところが、ここ数年はFOXのUFL(プロアメリカンフットボールリーグ)中継の実況を担当。Fox 5の朝の番組「Good Day New York」の司会者でもあります。2022年には、ノースウェスタン大学で公共政策・行政学の修士号を取得しました。 すでに持っているものをさらに磨くということを、メネフィーは理解しているのです。そして、明確な終わりが見えない道に踏み出すということも。 「よく理解したうえで直感で動くのが好きなんです」とメネフィーは言います。 情報は集めますが、ある時点で自分の直感を信じなければなりません。 どんなに分析しても、ある時点で岐路に立ったら自分で選択しなければなりません。すべきことはして…でもそのあとは、正しいと感じることをするんです。 この方法が少しストイックに聞こえたとしても無理はありません。起こることすべてをコントロールすることはできませんが、それにどう対応するかはコントロールできます。時に、ある決断が正しかったのは、それを正しい選択にしたからなのです。 十中八九、決断がうまくいくのは自分がそれを正しいものにしたからです。 うまくいかない1回は不運です…が、うまくいくと「確信」が持てるのをじっと待っていても、十中八九うまくいくということはありません。 「それに」とメネフィーは続けます。 もしうまくいかなかったら、「うまくいかないということをうまくいかせるんだ」といつも思っています。 好奇心があれば、何か答えが見つかるものです。「欲しかった」答え、望むタイミングでの望んだ答えではないかもしれない…けれど、「何かしら」の答えはいつも見つかります。 たとえその答えが、失敗の経験から学び、次に進むことであったとしても。 新しいことに挑戦するには、それなりの自信も求められ、すでにある程度の成功を経験しているのであれば、もう一度初心者に戻ろうという意欲も必要です。たとえどんな見返りがあるのかわからなかったとしても、です。 「ほかに様々なことを追求すると、わかります」とメネフィーは言います。 いろいろと違うことをすることで、すでにしていることが上達するのです。 大学に戻って修士号を取ることはどうか? それがニューヨークの朝のニュース番組につながるとは思いませんでしたが、公共政策について知識を深めようという努力を見せた結果、そうなりました。 旅でも同じです。旅は様々な扉を開いてくれます。知らない人と経験を共有し、つながる感覚を生み出してくれるのです。 また、これまでずっとベースを弾いてきました。それが結果として、クリスチャン・マクブライドやスティング、デイヴ・グロール(Foo Fighters)といった人たちと番組の中で共演することにつながりました。