<ここに注目>天理vs星稜は名門対決 両チームに大型右腕 センバツ
天理・戸井零士主将の話
星稜は投打ともにバランスが取れた強いチームという印象だ。今年はスローガンに「つなぐ」を加えている。1点を全員で大事にする野球をしたい。一戦一戦全力で戦い、支えてくれた方に喜んでもらいたい。
ラグビー部も強豪
1900年、天理教校として設立。08年に旧制天理中が創立され、48年に学制改革で現在の校名となった。男女共学で全日制と定時制を設置している。 野球部は01年創部。春は54年に初出場し、97年に全国制覇、2021年には24年ぶりの4強に輝いた。夏は28回出場し、優勝は2度経験している。卒業生にプロ野球・ロッテの中村奨吾選手、ヤクルトの西浦直亨選手、オリックスの太田椋選手らがいる。また、21年にセンバツで活躍した達孝太投手はドラフトで1位指名され、日本ハムに入団した。 ラグビー部も全国高校ラグビー大会で優勝6回の強豪。柔道部やホッケー部など他の部活動も全国トップレベルを誇る。
天理・OBで野球部保護者会長の渡辺宏さん
今年も出場できると信じていましたが、改めて天理を選んでいただいたことをうれしく思います。新型コロナウイルス下ではありますが、皆さんには甲子園で思う存分力を発揮してほしいです。 今年のチームは、特に打線に隙(すき)が無く、全国の強豪と渡り合えるだけの力を持っていると思います。投手陣はエース・南澤佑音投手(3年)の仕上がりに期待するところですが、試合展開によっては、控え選手の活躍が勝敗を左右することもあるでしょう。チーム全員で戦う気持ちを忘れないでほしいです。 試合では、憧れの舞台に立てる喜びを全力で味わい、表現してください。大舞台だからと気負うことなく、伸び伸びとプレーできたら最高ですね。
中学時にU15日本代表に選ばれた右腕
186センチの大型右腕・マーガード真偉輝キアン(3年)が柱だ。米国出身の父を持ち、中学3年時にU15(15歳以下)日本代表に選ばれた大器で、最速141キロの直球にカットボールやフォークなどを織り交ぜる。 打線は旧チームから唯一レギュラーの1番・永井士航(3年)が俊足で流し打ちが巧みだ。4番・若狭遼之助(3年)は広角に打てる。角谷飛雅(3年)は昨秋、ともにチーム一の打率3割9分、14打点を残した。主将の佐々木優太(3年)は左手骨折の影響で昨秋は本来の長打力を発揮できなかったが、春は中軸での起用もありそうだ。 昨秋は石川大会準決勝から北信越大会準決勝まで5試合続けて2点差以内で競り勝った。林和成監督は「飛び抜けた選手はいないが、『ウサギと亀』の亀のように、終わってみたら勝っているチーム」と評する。3月限りの退任が決まっており、選手たちは「甲子園で勝つことが最高の恩返し」と、初の「4強以上」を狙っている。