トランプ氏勝利で株価が上昇なら売りシグナル－シティのクロナート氏
（ブルームバーグ）： 米国株は来週の米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利することへの期待から上昇しているかもしれないが、共和党が大統領選と上下両院を制した場合は株式の売りシグナルだと、シティグループのストラテジストはみている。
トランプ氏の勝利は、法人税引き下げの政策案が企業収益に好影響をもたらす可能性が高いことから、一般的に株式にとって良いニュースと見なされている。しかしシティのストラテジストは、Ｓ＆Ｐ500種株価指数を６カ月連続の上昇に導いている「陶酔に近いほどの楽観的なムード」を指摘し、反動が起こる可能性が高いと警戒を促した。
「トランプ氏と共和党圧勝のシナリオでは、根本的な不確実性が予想されるため、選挙後のいかなる上昇局面でもポジションを軽くしようと考えている」と、シティのストラテジスト、スコット・クロナート氏は29日付のリポートに記した。
Ｓ＆Ｐ500種を過去最高値に押し上げた上昇は、主に経済成長と企業収益にけん引されたものだが、最近の賭け市場におけるトランプ氏勝利へのシフトも後押しした。
カマラ・ハリス副大統領の潜在的な増税政策は、株式市場にとってどちらかと言えば弱気材料とみられている。 ほとんどの主要世論調査では、両候補者への支持は拮抗（きっこう）している。
株式にとって最も楽観的なシナリオは、トランプ氏が大統領選で勝利し、上院と下院でも共和党が多数派となるケースだ。
しかしクロナート氏は、いずれの候補の政策も徐々に株式のファンダメンタルズにとってマイナス要因になっていくとの見方を維持。また、Ｓ＆Ｐ500種は現在の水準で「十分に評価されている」とみている。ハリス氏の勝利と議会が分裂した場合に生じる株価の急落は、買いの好機となるとの見方も示した。
ブルームバーグはワシントンの通常業務時間外にコメントを求めたが、両陣営ともすぐには回答しなかった。
原題：Sell Stocks If a Trump Win Drives a Rally, Citi’s Chronert Says（抜粋）
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Sagarika Jaisinghani
