MLB 菊池雄星、エンゼルスと3年総額95億円で正式契約 低迷続くエ軍の再建キーマンに ミナシアンGMは開幕投手も示唆
【シアトル(米ワシントン州)27日(日本時間28日)=丹羽政善通信員】米大リーグのエンゼルスはアストロズからフリーエージェント(FA)になっていた菊池雄星投手(33)と3年総額6300万ドル(約95億1300万円)で契約を結んだと発表した。ペリー・ミナシアン、ゼネラルマネジャー(GM、44)がオンライン会見に応じ、開幕投手への期待と獲得の理由などを語った。 大きな期待の表れだ。菊池は3年総額6300万ドル(約95億1300万円)の大型契約を締結。エンゼルスは今季、球団ワーストの99敗(63勝)を喫して9年連続でシーズンを負け越し、ア・リーグ西地区で最下位に沈んだ。菊池がエース格として再建のキーマンになる。ミナシアンGMが2020年11月に就任して以来、最高額の契約に至った理由を説明した。 「特に奪三振と与四球の比率がいい。ストライクを投げられるし、体が丈夫だ。空振りも取れる。パワーレフティ(左の本格派)であり、真っすぐも素晴らしい。性格もいいので、クラブハウスにうまく溶け込める」 メジャー6年目を終えた左腕は今季、初のシーズン200奪三振(206)に到達し、32試合で9勝10敗、防御率4・05をマーク。7月にブルージェイズからアストロズにトレード移籍後は5勝1敗、防御率2・70と活躍し、ア西地区優勝に貢献した。今季は四球率2・3と制球力が高く、奪三振率も10・6と高い数値を示した。さらに175回⅔を投げ、タフネスぶりを発揮。今季の直球の平均球速は95・5マイル(153・7キロ)で左の先発ではリーグ9位だった。 大谷翔平投手(30)が去ったエ軍は、先発投手の防御率がア・リーグ最下位の4・97。2桁勝利は10勝(15敗)を挙げた左腕アンダーソンだけ。トラウトやレンドンら攻撃陣も故障続き。再建が急務で、今オフは既にカブスからFAになったメジャー97勝右腕のヘンドリクス、ブレーブスからトレードで獲得したメジャー191本塁打の外野手ソレアら、積極的に補強している。 菊池が来季の開幕投手を務める可能性を問われたミナシアンGMは「そうであってほしい」と有力候補と認め、アンダーソンとの競争になる見通しを明かした。
日本選手対決も熱くする。ロサンゼルス近郊の本拠地アナハイムのエンゼルスタジアムと、ドジャースタジアムは高速道路5号線で結ばれ、約50キロの距離。リーグは違うが「フリーウエー・シリーズ」として、毎シーズン4試合が組まれている。岩手・花巻東高の3学年後輩にあたる大谷とは投打で対決。また山本由伸投手(26)との投げ合いも、注目を集めることは間違いない。