「黒子のバスケ」撤去は妥当な判断だった 関西大学・亀井克之氏
――書店によって判断が分かれている 「TSUYATAは利用者によって、非常に親しみやすい店なのでは、と思う。気軽に多くの利用者が出入りするお店が、可能性が低いリスクにさらされたとしても、そのリスクを保有するより回避するほうをとった。考え方の相違にはなるが、他の書店は、TSUTAYAと比べて“敷居が高い”ところも、TSUTAYAのほうがリスク管理に対して、意識が強かったのではないだろうか。リスクマネジメントのあり方について、決断にはいろんなパターンがある。TSUYATAは今回、撤去、という決断をとって、批判もあったと思うが、利用するお客さんがこの判断をどう評価しているか、が問題。お客さんがこのことを評価していれば、企業のとった行動は正しかった、ということになる」 さまざまな選択肢の中で、決断が必要なリスクマネジメントにおいて、利用者を守る、という判断を行った今回のTSUTAYAの対応。脅迫に屈したのでは、という捉え方もできますが、その一方で利用者に対して、安全を提供する、という企業がやるべき対応を、いち早くきっちりと行ったとも言えるのではないでしょうか。 ■プロフィイール 亀井克之(かめい・かつゆき)。関西大学社会安全学部安全マネジメント学科 教授。専攻は「リスクマネジメント論」。日本リスクマネジメント学会事務局長。