ジャスティン・ビーバーやゼンデイヤ、家計を支えたキッズセレブたち
2年後、ディズニーが大規模なオーディションを開催する。でもセレーナによると「私と母は飛行機のチケットが買えなかったからカリフォルニアに行けなかった。それで私はテープを送ったの。それを見てディズニーは私を気に入ってくれたんだと思う」。このオーディションでセレーナは「ウェイバリー通りのウィザードたち」のメインキャラクターに抜擢、大ブレイクを果たす。母との生活がこれで一気に潤ったのは間違いないといえそう。ちなみにセレーナと母の関係は良好。彼女が公の場所で母を批判したことはなく、むしろ賞賛することのほうが多い。とはいえ「母は私のためにすべてを捨て、3つの仕事を掛け持ちしていた。いつも私たちよりも貧しい人たちがいること、私たちも大したものを持っていないことをいつも意識していたのを覚えている」。母は演技に興味を持ったセレーナを応援していただけかもしれないけれど、母ひとり子ひとり生活が彼女に無言のプレッシャーを与えていた可能性も大。
ゼンデイヤ
実はディズニーチャンネルは家計を支える子役たちの宝庫。ゼンデイヤもその1人だった。彼女が俳優になることを決めたとき、父は自分の仕事を辞めて彼女と一緒にロサンゼルスへ。母は地元のオークランドに残って2つの仕事を掛け持ち。父の分も働いて家計を支えていた。13歳のときゼンデイヤがディズニーチャンネルの「シェキラ!」のオーディションに合格、大ブレイクしたことで稼ぎ手のポジションはゼンデイヤにバトンタッチ。「以前はそんな余裕がなかったけれど、最近、悩んで育った10代の頃を振り返るようになった。当時の私は自分が大人のポジションに押しやられたように感じていた。私はとても早い時期に一家の大黒柱になったし、役割の逆転がいろいろ起きた。本当に大人になったような感じだった」と2024年のインタビューで語っている。
今でも映画の主演を務めるときにはナーバスになるというゼンデイヤ。「自分が縮こまってしまい、自分に起きていることを楽しめないように感じる。私はいつも拳を握り締めているような状態だからだと思う。子どもの頃から緊張を引きずっていて、今もとても緊張している。それに学校に行きたかった」。ゼンデイヤと両親の関係は良好ではあるけれど、子どもをここまで緊張させてしまうのはある意味、毒かも。