桑田佳祐監督の映画ロケ地、鎌倉のカフェが市と争う姿勢「明け渡すつもりはない」…耐震性問題なしと反論
神奈川県鎌倉市が管理する建物の耐震性が不足しているのに占有を続けているとして、市が鎌倉海浜公園の「ビーナス・カフェ」の運営会社に建物明け渡しを求める訴訟を起こし、25日に第1回口頭弁論が横浜地裁(島田英一郎裁判官)で開かれた。運営会社側は請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。
同カフェは、同公園坂ノ下地区にあり、1955年にレストハウスとして開業。約30年前からは同市の「メイン商事」が営業し、サザンオールスターズの桑田佳祐さんが監督した映画「稲村ジェーン」やテレビドラマのロケにも使われた。
訴状などによると、カフェの建物は市所有で、2021年の耐震診断で基準を下回った。市は使用許可を22年12月末としたが、同社はカフェの営業を継続。24年3月1日には、建物の原状回復と明け渡しを求めたが、現在も応じていない。
同社は、建物の所有権を主張し、耐震性にも問題がないと反論。弁論後、吉沢治郎社長(55)は「明け渡すつもりはない。裁判所は法律にのっとって判断してほしい」と話した。
同市は、「訴訟代理人と協議しながら、適切に対応していく」としている。