「こんな国ではなかった」応援演説で“石破節” 丸川珠代氏は「もう一度チャンスを」と涙の訴え
822万円の不記載が問題となり、比例代表への重複立候補ができない“背水の陣”
衆議院選挙(27日投開票)東京7区に自民党から出馬している丸川珠代元五輪担当相が26日、JR恵比寿駅前で“最後の訴え”を行った。街頭演説には石破茂首相も駆けつけ、「こんな国ではなかった」との“石破節”で投票を呼びかけた。 【写真】まさかのサプライズ登場 「ガキ使」のセットで記念撮影した石破茂氏 帰宅ラッシュの駅前広場が完全封鎖となった。駅前ロータリーでは、機動隊車両が乗り入れ、規制線が敷かれる物々しい雰囲気のなか、大勢の警察官がメガホンを手に駅を利用する通行者に声を張り上げて迂回を促した。ロータリー中央の観覧エリアでは、金属探知機による手荷物検査を受けた大勢の聴衆や報道陣が、丸川氏と石破首相の演説に耳を傾けた。 「政治とカネ」が争点の衆院選。政治資金収支報告書への822万円の不記載が問題となっている丸川氏は今回、党の公認は受けたものの、比例代表への重複立候補は認められていない。夫の大塚拓候補(埼玉9区)も994万円の不記載があり、同じく比例への重複立候補ができないなど、夫婦で“背水の陣”を迎えている。一部で報道された「お助けください」という涙のアピールも話題を呼んでいる。 丸川氏は「結婚し、主人が住んでいる港区で子育てを経験し、子育て世代の思い、働く女性の思いを政治の真ん中に届けたい。もっといろんな人生を選べる、社会みんなで支え合える世の中を作りたい」とかすれた声を張り上げた。政治とカネの問題について直接言及することはなかったものの、「政治の透明化を図る努力をしていきます。だから皆さん、チャンスをください。もう一度チャンスをください」と涙ながらに訴えた。 応援に駆け付けた石破首相は「恵比寿駅前はもう間もなく7時を迎えます。こうしてマイクが使えるのもあと1時間と20分。最後に私はこの場所に来たかった。丸川珠代の応援に来たかった!」と譲れない選挙区であることを示唆。演説では、国際競争力の低下や能登の地震被害、自衛官不足や東京の出生率の低下に触れ、何度も「こんな国ではなかった」と繰り返す“石破節”がさく裂した。 「正月に能登を襲った地震と、先日の豪雨被害。私は総理になって一番最初に被災地を訪れましたが、冷たい避難所の体育館での冷たいお弁当。本当に申し訳ないこと、我々の責任です。他国ではすぐに被災地に車が来て温かい食事が振る舞われる。なぜ日本でできないのか。そういうものがなくて何が先進国だ!」「人口が恐ろしい勢いで減っています。あと30年で日本の人口は半分になる。男女の婚姻率が一番高いのに、一番出生率が低いのが東京。そんなことがあっていいはずがありません」と、強い言葉で日本の現状を憂いた。 「お互いが悪口を言い合ったり、足を引っ張り合ったり、そんな国ではなかったはずだ。もう一度この日本を取り戻したい。それができるのは丸川珠代、自民党であります」と締めくくった。 東京7区では他に、参政党の石川友梨香氏、立憲民主党の松尾明弘氏、日本維新の会の小野泰輔氏らが立候補している。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム