一度覚えたら絶対に忘れない…「20%引き」と「20%増量」、どちらがオトクか一瞬で分かる方法
「20%引き」と「20%増量」はどっちがオトク?
さてこちらの問題。皆さんはどちらの方がオトクだと考えましたか? 筆者は日本各地の学校で生徒に向けて話をする機会があるのですが、このクイズを出すと多くの人が直感で「20%増量」ではないかと答えます。やはり、量が増える方がお得に感じやすいのでしょう。 しかし実際は、逆の「20%引き」が答えです。直感と実際の数値は乖離することもあるのです。 では、なぜ「20%引き」の方がオトクだと言い切れるのか。ここから式を使って解説していきます。 この問題を計算式で考える上で大事なのは、商品の値段と量を決めることです。今回は商品については明記されていないため、「20%引き」と「20%増量」の計算がしやすいように仮定してしまいましょう。 「え、そんなことしても良いの?」と思う人もいるかもしれません。そんな人は、数学の授業で文章題を解くときを思い出していただけると嬉しいです。求めたいものを「X」と置く、という仮定をして計算を進めていたのではないでしょうか。 今回は、20%引きと20%増量が同じ商品に対して行われていれば、その商品はどのようなものでも良いのです。そのため、今回は100gで100円の食料品だと仮定して計算してみましょう。 そうすると、20%引きの場合、20%増量の場合の商品の値段と内容量は次のようになります。 ・20%引き 値段:100円から20%引きされるため、100-20で80円 内容量:100gのまま ・20%増量 値段:100円のまま 内容量:100gから20%増量されるため、100+20で120g 簡単に図に表すと、次のようになります。 つまり、この問題は「100gで80円」と「120gで100円」のどちらがオトクかを考えれば良いとなったのですが、このままではなかなか比較しにくいでしょう。ここで大事なのは、「分母を揃える」ことです。 みなさんは、「3分の2と4分の3はどっちが大きい?」と聞かれたときに、どう考えますか?もちろん、小数に直して比較する、という人もいると思いますが、割り切れない割り算が含まれるため時間がかかってしまったり、計算ミスをしたりしてしまうこともあるでしょう。