ドイツ検察が男女3人を逮捕 中国に軍事技術情報提供容疑
カールスルーエ、ドイツ、4月23日 (AP) ― 中国のためにスパイ活動を行い、軍事利用可能性な技術情報の受け渡しを手配した容疑で、ドイツ人男女3人が4月22日、ドイツで逮捕された。 連邦検察当局によれば、3人は2022年6月以前のある時期から、中国情報機関のためにスパイ活動を行っていた疑いで告発されている。 3人はまた、特殊レーザーを無許可で輸出し、ドイツの輸出法に違反した疑いを持たれている。 3人のうちの1人、ドイツの個人情報保護法に基づきトマス・Rと名乗った男は、中国国家安全部工作員の代理人であり、「軍事転用可能な革新的な技術」に関する情報を収集していた疑いを持たれている。 そのためにトマスRは、デュッセルドルフで会社を経営する夫婦を利用。夫婦はドイツ人研究者と連絡を取り、仕事をするために雇われていた。 また、夫婦はドイツの某大学と調査データの受け渡し協定を結び、その第一歩として、軍艦を含む船舶の強力な機械部品について、研究書作成を依頼した。 検察当局によると、中国国家安全部のトマスR担当は、北京からドイツ国内の中国人工作員に指示を出しており、資金は中国本土から拠出されていたという。 容疑者らは逮捕時、中国海軍力強化に利用可能な研究プロジェクトの交渉中だったという。 容疑者らはまた、国家安全部の資金で特殊レーザーを調達し、無許可で中国に輸出しようとしていた。 3人はショルツ首相の訪中1週間後に逮捕された。 検察当局は逮捕に関して声明を発表、その中で「中国の諜報機関や国家統制グループによるアナログおよびデジタルでのスパイ活動や破壊工作活動に対しては、その活動がドイツ国内であろうとドイツに向けられたものであろうと、断固とした態度で対抗する」と表明している。 (日本語翻訳・編集 アフロ)