タイトリスト『GT2 ドライバー』は『TSR2 ドライバー』とどこが変わった? 【ヘッドデータ分析で判明】
人気シャフト「ツアーAD DI-6」を装着して打ってみた
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは10.0度、シャフトは「TOUR AD DI-6」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。 クラブの長さが45.38インチとやや長く、クラブ重さが319.1グラムと「非常に重い」設定からスウィングウェイトがD4.8と「非常に大きく」なり、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが298万g・㎠と「非常に大きい」です。計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが49~50m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。 ヘッドは従来の「2」シリーズ特有の横幅が広い丸型形状で、さらにアドレスでの強めのオープンフェースは継承され、フェースのトウ側に逃げ感も出ており、球をつかまえ過ぎないイメージが湧きます。 実際に試打したところ前モデルよりも強いオープンフェースで、より球をつかまえ過ぎないイメージで構えられます。丸みの少ない平らなフェース面も特徴です。
試打シャフトはバランスの良いしなり感で振りやすく、インパクトの再現性もいい感じです。ただしクラブ重量が重く、スウィングウェイトがとても大きいので、しっかり振り切るにはかなりのパワーが必要です。 ヘッド重量が重く、リアルロフトが前モデルよりもさらに小さく厳しい設定にされているおかげで、ミートした時にボール初速が出しやすいです。 重心深度を見てみると過去モデルの『TSi』から『TSR』と徐々に浅く設定されてきており、今モデルではさらに浅くされていることから、大きなヘッド慣性モーメントを狙っていないと考察できます。 『GT2』のSS(スイートスポット)はフェースの中央よりも少しトウ寄りに位置されており、軽めのフェードバイアス設計になっています。 ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントは『TSi』や『TSR』よりも小さく抑えられていますが、それでも基準値(7000~7299g・㎠)からすると大きい設定になっています。ダウンスウィングでのヘッドの返りが遅いこと、そして強めのオープンフェースの組み合わせから叩きながら飛ばせて、安定したストレート~フェード系の弾道を打ちやすいドライバーです。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年9月17日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
週刊ゴルフダイジェスト
【関連記事】
- 「RS Xシリーズ」三兄弟の中で一番の飛距離性能! プロギア『RS Fドライバー』【ヘッドデータ分析で判明】
- 岩井姉妹が使用するヨネックス『EZONE GT TYPE S』ドライバーは叩いて飛ばせるフェードバイアスヘッド! 【ヘッドデータ分析で判明】
- スライサーは手を出すな!? 上級者向けの性能に仕上がったキャロウェイ『パラダイム Aiスモーク ♦♦♦』ドライバー【ヘッドデータ分析で判明】
- 今平周吾が使用するヤマハ「RMX VD/R」はフェードが打ちやすいツアーモデル【ヘッドデータは嘘つかない!】
- 「飛びと扱いやすさ」を追求していった結果、軟鉄鍛造アイアンが見直されている【長谷部祐とギア問答!#29】