頼総統、ボクシング女子金メダルの林郁婷選手を祝福「実力で全てを証明した」/台湾
(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は11日、パリ五輪のボクシング女子57キロ級で金メダルに輝いた林郁婷選手とリモートで対面し、祝意を伝えた。林選手が性別を巡って根拠なき攻撃にさらされていたことに触れ、「実力で全てを証明したことを喜ばしく思う」と語った。 林選手は同日未明(台湾時間)の決勝でポーランド選手に判定勝ちした。台湾の選手が五輪のボクシング競技で金メダルを獲得するのは初めて。 林選手を巡っては、昨年の世界選手権で国際ボクシング協会(IBA)による性別適格検査の結果、不合格になっていたことをきっかけに、パリ五輪への出場に関して議論が噴出。IBAは五輪期間中にも記者会見を開き、林選手について「出場資格を有していない」と主張した。 頼氏は、林選手が根拠のない攻撃にさらされていたことに「心を痛め、やるせなさを感じていた」と話し、林選手が金メダルによって「いわれなき批判を拳で粉々にした。これは素晴らしいことだ」とたたえた。その上で「世界における台湾の存在感をさらに高めた。全ては林選手のつらい努力のたまものであり、コーチに15年来支えられ、共に戦ってきた結果だ」とねぎらった。 林選手は試合後、コーチと一緒にリングに拳を突き立てる仕草を見せた。頼氏はこれに何か意味はあるのかと質問。林選手は「私たちにとって、これ(金メダル獲得)の意味はとても大きい。だからこのリング、この舞台にしっかりと感謝を伝えたかった」と説明した。 頼氏はボクシング女子66キロ級で銅メダルに輝いた陳念琴選手にもリモートで祝福の言葉を伝えた。 (葉素萍/編集:名切千絵)