代表初招集の鈴木武蔵は待望のゴールゲッターとなれるのか?
懐かしい顔ぶれが緊張感をやわらげてくれた。人見知りする一面も封印してくれた。25歳にして日本代表に初招集されたFW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)が、強敵コロンビア代表を日産スタジアムに迎える22日のキリンチャレンジカップ2019へ、万全のメンタルで臨もうとしている。 18日から神奈川県内で行われている日本代表合宿。武蔵の周囲にはMF中島翔哉(アル・ドゥハイルSC)やMF南野拓実(ザルツブルク)、DF室屋成(FC東京)、GK中村航輔(柏レイソル)と、2016年のリオデジャネイロ五輪をともに戦った盟友たちがいた。 特に中島と南野は森保一新監督に率いられる新生日本代表が船出した、昨年9月からチームを力強くけん引。今回は選外となったが、リオデジャネイロ五輪でキャプテンを務めたMF遠藤航(シントトロイデンVV)もボランチで存在感を放っていた。 「同世代の選手たちが活躍しているのはすごく刺激になりました。十代のころから一緒にやっている選手もいるので、自分も早くここで試合に出て、またみんなと一緒にサッカーをしたいと思いながら日本代表戦を見ていました」 冒頭15分間を除いて非公開で行われた、21日の最終調整を終えた直後の取材エリア。身長185cm、体重75kgの筋骨隆々とした体の背筋をピンと伸ばした武蔵が幾度となく浮かべた、穏やかな笑顔から静かなる闘志が伝わってきた。 昨シーズンはV・ファーレン長崎で、自己最多となる11ゴールをゲット。アルビレックス新潟に所属した約5年間の通算が、わずか7ゴールだった25歳は一気に大ブレーク。このオフに移籍した札幌でも4試合で3ゴールをあげて、森保監督を振り向かせた。 サッカー人生の転換点となる昨シーズン。武蔵の脳裏にいまも強く刻まれているゴールが2つある。8月25日の柏レイソル戦で決めた通算6点目と、12月1日の清水エスパルス戦の同10点目だ。 前者は自陣からの縦パスに反応して右サイドを、後者はセンターサークル付近からスルーパスを受けて左サイドを瞬く間に突破。柏戦はニアサイドを右足のひと振りで撃ち抜き、清水戦ではドリブルから2人のセンターバックの間へ割って入って右足のつま先で押し込んだ。 「何かをつかんだというよりは、自分のなかですごく好きなゴールですね。自分の特徴を生かしたゴールを決められたことは、すごく自信になりました」