ペロブスカイト太陽電池、観光地「江の島」で実証する狙い
神奈川県と日揮(横浜市西区)、エネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)は29日、ペロブスカイト太陽電池の実証実験を同県藤沢市の江の島で始めた。江の島の庭園「サムエル・コッキング苑」内に同電池を設置して発電データや耐久性、信頼性などを1年間検証する。 【写真】石油設備に設置したフィルム型ペロブスカイト太陽電池 実証実験ではエネコートテクノロジーズが開発中の大型モジュール(幅465ミリ、縦360ミリ、厚さ1ミリメートル)を用いる。遮熱シートと同モジュールを貼り合わせる日揮の工法で製作した独自のペロブスカイト太陽電池を、庭園内のガラス張り施設の屋根部分などに設置して性能を検証する。 観光地として人気のある江の島で実証することで、同電池の普及啓発を図る狙いもある。同日開いた実証開始式で、黒岩祐治神奈川県知事は「脱炭素のカギを握る大変重要な技術。より多くの人に知ってもらいたい」と語った。 同電池は薄く軽量、折り曲げ可能などの特徴からさまざまな場所に設置できる利点がある。日揮は将来、工場やプラント設備向けの発電システムに同電池の採用を目指す。日揮の山口康春社長は「さまざまな形状に設置できるのが同電池のポイント。全社を挙げて確かな技術にしていきたい」と抱負を述べた。