信州・まつもと大歌舞伎の立役者 勘三郎さん偲び松本での映像上映
信州・まつもと大歌舞伎の開催に尽力し、平成24(2012)年に亡くなった歌舞伎俳優・中村勘三郎さんを偲ぶ映像の上映会が14日、松本市大手3の市立博物館で開かれた。松本城本丸庭園で予定していた13回忌追悼イベントの「偲ぶ会」が雨天で中止となったため、予定を変更した。2回の上映に約400人が集まり、勘三郎さんの功績や人柄を偲んだ。 特別編集したオリジナル映像「勘三郎が愛した街」が上映された。平成20(2008)年の第1回大歌舞伎から最後の舞台となった24年7月の第3回までのドキュメンタリー映像で、松本の人々との触れ合いや、病に侵されながら舞台に立ち続ける様子が映し出された。上映中に涙ぐむ人たちも見られた。 勘三郎さんの大ファンで、偲ぶ会に参加するために東京から訪れた会社員は「勘三郎さんは、松本の人たちの心の中に生きていると感じた」と話した。松本市石芝4の主婦は「勘三郎さんが本当に松本を愛してくれたことが伝わってきた。大歌舞伎を大切にしていきたい」と話した。 本丸庭園で演奏する予定だった太鼓演奏もあり、太鼓奏者・上田秀一郎さんが「光の道標」を奏でた。永遠に輝く勘三郎さんを道標にするという願いが込められた曲で、力強い鼓動が講堂を満たした。 上映会は15日も市立博物館講堂で開く。上映は午後3時半と午後4時半からの2回。 ◇ 信州・まつもと大歌舞伎は14日、会場のまつもと市民芸術館で3日目の1公演が行われた。15日は正午から千穐楽の公演があり、開演1時間前から会場で当日券を扱う。
市民タイムス