今年からはじまった新NISA…「つみたて投資枠」と「成長投資枠」どっちを使おうかな?→CFPの明確な回答
“余裕資金”を投資に充てる…投資資金の目安とは
前述の通り、新NISAは、長期投資向きのしくみです。 これを言い換えれば、「新NISAで投資したお金は、しばらく使えなくなるかもしれない」ということです。日常的に使うお金で新NISAを利用するようなことは、絶対に行わないでください。 「値下がりしたらどうしよう……」とドキドキするような投資は、もはや投資ではなくギャンブルです。自分にとって適切な投資額を確認しておきましょう。できれば、5年や10年くらいは使うことのないようなお金で新NISAを利用していただきたいところです。簡単に言えば、余裕資金です。 将来の成長が有望そうだった商品も、思いがけず低迷を続けてしまうこともあります。投資で損をするのは、決して可能性の低いことではありません。損をしても、人生が狂うようなことはない程度の投資額に留めておくのが大事です。できれば今後のライフプランを考えて、今所有している預貯金の使い道を検討する中で、「このお金は10年くらい使うことないな」という部分に関しては、新NISAで投資する資金となりえるでしょう。 収入に関しては、手取りの1~2割分、たとえば手取り20 万円の人であれば、2万~4万円程度を新NISAで積み立ててみてはいかがでしょうか。ただし、家族構成によっても事情は違ってくるので、慎重に検討してください。 投資できる金額のめどがついたら、商品選び……といきたいところですが、まだ早いです。商品選びの前にやった方がいいことがあるので、次の項目でそれらを見てみましょう。
商品選びの前に「リスク許容度」の計測を
資産配分を検討する際、株式を多めにすれば、高いリターン、つまりより大きな儲けを期待することができます。 ただ、それは同時に高いリスクをとることも意味します。 自分に合った資産配分を見つけるためには、自分がどの程度のリスクまで耐えることができるのかを考える必要があります。 これを「リスク許容度」と呼んでいます。 リスク許容度は、自分の年齢や投資経験、考え方等によって異なります。 一般的に、若い人はリスク許容度が高く、年齢の高い人ほどリスク許容度が低いと言われています。投資した商品が値下がりした時に、価格が戻るのを待つ時間的な余裕がないからです。 また、投資経験が豊富な人はリスク許容度が高く、経験の浅い人はリスク許容度が低いと言われています。 なにごとも、経験の浅い人は最初からあまり無理をしない方がベターと考えるのが一般的です。 いろいろな企業が、オンライン上で手軽なテスト素材を提供してくれています。それらを参考に、ご自身のリスク許容度を確認して、「このくらいの資産配分がちょうどいいかな?」という目安を考えてみましょう。 小山 信康 CFP® 1級企業年金総合プランナー