100万円以下から買える、スポーツカー好きに贈る中古3車種!
クルマ好きにとって、スポーツカーは単なる移動手段以上の存在です。エンジンの音、ハンドリングの感覚、そして走る喜び――これらを求めるドライバーにとって、スポーツカーは一つの芸術品であり、よき生活のパートナーです。今回の【モーターファンおすすめ中古車】は、そんなスポーツカー好きにおすすめしたい、現在の中古車市場で100万円以下から買える3車種をご紹介します。あなたにピッタリの1台を見つける手助けになれば幸いです。 6代目 日産 Z34型 フェアレディZ (2008-2021年):パワフルでアグレッシブな走りを求めるなら 中古車価格帯: 70-680万円/ 平均中古車価格:375万円 日産を代表するスポーツカーと言っても良いフェアレディZ。現行モデルのRZ34型系は2022年の登場ですが、これは内外装が一新された新型でありながら、実際には2008年に登場した6代目モデルのZ34型系の改良型です。従って、内外装こそ大きく異なりますが、基本的な部分は先代とされる6代目のZ34型が踏襲されています。2024年8月現在、世界的な半導体不足の影響で現行のRZ34型系フェアレディZは受注を停止していることもあり、先代モデルにあたる6代目Z34型の中古車は「お買い得」と言えるかもしれません。 6代目Z34型系は日産のスポーツカーとしての伝統を受け継ぎながらも、現代のドライバーが求める性能とデザインを融合させた1台で、パワフルなV6エンジンを搭載し、走りの楽しさを最大限に引き出す後輪駆動レイアウトが特徴です。アクセルを踏み込んだ瞬間に感じる力強い加速と、コーナーを攻めるときの安定感に確かな手ごたえを感じることでしょう。また、アグレッシブで筋肉質なデザインは、街中でも一目でそれと分かる存在感を放っており、オープントップ・モデルのロードスターもラインアップされています。日本はもちろんですが、フェアレディZは特に北米での人気が高い事でも知られています。 その一方、弊メディアが実車オーナーに対して実施している『モーターファン オーナーアンケート』に寄せられた声によれば、この車の短所としてその重量感が挙げられています。重たい車体は、特に狭い街中での取り回しに影響を与え、軽快さに欠けると感じることがあるようです。また、燃費も現代のスポーツカーの中では決して良好とは言えず、燃費を重視する方には不向きかもしれません。さらに、2シーターでリヤシートがないため、実用性の面では他の車種に劣る部分があります(もっとも燃費や積載性を重視してスポーツカーを選ぶ方はいらっしゃらないとは思いますが…)。 詳細スペック:ベースグレード(FR) / CBA-Z34型 全長×全幅×全高(mm)=4250×1845×1315 ホイールベース(mm)=2550 エンジン:3.7L 水冷V型6気筒DOHC 駆動:FR 最高出力:336ps(247kW)/7000rpm 最大トルク:37.2kgm(365Nm)/5200rpm 使用燃料:無鉛プレミアムガソリン 燃費:9.8km/L(10・15モード) トランスミッション:6MT 車重(kg):1480 新車価格:362.25万円 ※2008年発売当時のスペック 3代目 マツダ NC系 ロードスター (2005-2015年):まさにピュアドライビングプレジャー 中古車価格帯: 49-303/ 平均中古車価格:176万円 マツダ ロードスターは、マツダの「人馬一体」の思想を体現するスポーツカーです。1989年に登場した初代モデルから、軽量でコンパクトなボディにより、走る喜びがダイレクトに感じられることを目指して作られてきており、現行モデルは2015年に登場した4代目モデルにあたるND系になります。 その先代、3代目モデルにあたるNC系ロードスターは2005年に登場、軽量化された車体と50:50の重量配分により、抜群のハンドリングを実現しています。ステアリングを切るたびに、車がまるでドライバーの意思を理解しているかのように反応する感覚は、他に代えがたい魅力です。また、オープンエアの開放感も大きな魅力で、風を感じながらのドライブは格別なものがあります。また、通常はロードスターのルーフは幌ですが、幌の代わりに電動格納式のハードトップを備えたクーペ・モデルのマツダ ロードスター パワーリトラクタブルハードトップ(RHT)も用意されています。 しかし、『モーターファン オーナーアンケート』に寄せられたオーナーの声の中には、ロードスターの軽量さとコンパクトさは、慣れない人には長距離ドライブや高速道路での安定性に欠けると感じる場面があるかもしれないというものが見られました。また、エンジンパワーが控えめであるため、パワフルな加速感を求めるドライバーには物足りなく感じることがあるでしょう(もっとも、そういう方はこの車を選ばないでしょうが…)。さらに、この車も2シーターであるため、荷物を多く積むことができず、実用性は限られています(そもそも積載性を重視してスポーツカーを選ぶ人はいないでしょうが…)。 詳細スペック:ロードスター(FR) / CBA-NCEC型 全長×全幅×全高(mm)=3995×1720×1245 ホイールベース(mm)=2330 エンジン:2.0L 水冷直列4気筒DOHC 駆動:FR 最高出力:170ps(125kW)/6700rpm 最大トルク:19.3kgm(189Nm)/5000rpm 使用燃料:無鉛プレミアムガソリン 燃費:13.4km/L(10・15モード) トランスミッション:5MT 車重(kg):1090 新車価格:220万円 ※2005年発売当時のスペック 2代目 アウディ 8J系 TT (2006-2015年):洗練されたデザインと高性能の融合 中古車価格帯: 45-256万円/ 平均中古車価格:150.5万円 ドイツ車のアウディTTは、その洗練されたデザインとパフォーマンスのバランスが特徴のスポーツカーとして知られています。特にデザインにこだわりを持つドライバーには、TTの魅力は格別でしょう。しかし残念なことに、アウディが電動化の方針へ大きく舵を切り、その後継モデルは電気自動車(EV)とされることが決定したため、2015年に登場した3代目モデルのタイプFV/8Sを最後に昨年11月に生産が終了してしまいました。 最終の3代目モデルが生産終了したのが昨日の今日のようなタイミングなので、まだ中古車市場でもそこまで大きく値を下げるには至っていません。ここではその先代モデルとなる、2006年に登場した2代目にあたるタイプ8Jを取り上げます。 この車は初代ゆずりの丸みを帯びたボディラインとアウディ独自のシャープなエッジが融合したデザインが大きな魅力の一つです。インテリアも上質で、ドライバーが車内にいるだけで特別な時間を過ごしていると感じられることでしょう。さらに、アウディ自慢の四輪駆動(クワトロ)モデルもあり、天候や路面状況に左右されない安定感ある走りが楽しめることでしょう。オープントップ・モデルのTTロードスターもラインアップされています。 一方、『モーターファン オーナーアンケート』に寄せられた短所としては、スポーツカーとしてはやや重さが感じられることが挙げられています。これは、特にコーナリングでのキビキビした走りを求めるドライバーにとっては、物足りなく感じることがあるようです。また、修理やメンテナンス費用が高めで、所有コストが他の車よりも高くなる可能性があることも挙げられています。さらに、今回ご紹介した3車種の中では唯一の乗車定員4名の車両ですが、後部座席は狭く、実際には荷物置き場としての用途が主となるため、実用性には限界があるでしょう。 詳細スペック:2.0 TFSI (FF) / ABA-8JBWA型 全長×全幅×全高(mm)=4180×1840×1390 ホイールベース(mm)=2465 エンジン:2.0L 直列4気筒DOHC ICターボ 駆動:FF 最高出力:200ps(147kW)/5100~6000rpm 最大トルク:28.5kgm(280Nm)/1800~5000rpm 使用燃料:無鉛プレミアムガソリン 燃費:12.0km/L(10・15モード) トランスミッション:6AMT(Sトロニック) 車重(kg):1340 新車価格:455万円 ※2007年発売当時のスペック ここで紹介した3車種のスポーツカーは、いずれも2024年8月現在の中古車市場で、100万円以下から販売車が存在しています。パワフルな走りとアグレッシブなスタイルを求めるならフェアレディZ、軽快なハンドリングとオープンエアの楽しさを味わいたいならロードスター、そして、洗練されたデザインと安定感を重視するならアウディTT…。どの車も、スポーツカー好きの心を掴む特別な魅力を備えています。あなたのドライビングスタイルやこだわりたいポイントに合った1台に巡りあえますように。
MotorFan編集部