週2Lの“甘い飲み物”で「不整脈」リスク増加、甘味飲料の飲み過ぎに要注意!
AHA(アメリカ心臓協会)は、「砂糖や人工甘味料が入った飲料を週に2リットル以上飲むと、心房細動の発症リスク増加の可能性がある」という研究結果を学会誌に掲載しました。この内容について甲斐沼医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
掲載された研究内容とは?
編集部: 今回取り上げる、AHAが学会誌に掲載した研究内容について教えてください。 甲斐沼先生: AHAの学会誌に掲載された内容によると、上海交通大学医学部らによる研究グループが食事に関するアンケートと遺伝子データについての検討を実施しました。2006年から2010年にかけて、UKバイオバンクに登録した時点で心房細動のなかった20万人以上の成人が対象で、約10年間の追跡期間中に9362例の心房細動が発生しています。 解析の結果、アンケートで「人工甘味料入り飲料を週に2リットル以上飲む」と答えた人は、加糖飲料を全く摂取していない人と比較して、心房細動のリスクが20%増加し、「加糖飲料を週に2リットル以上飲む」と答えた人は心房細動のリスクが10%増加しました。「純粋なフルーツジュースを毎週1リットル以下しか飲まない」と答えた人は、心房細動のリスクが8%低い結果となっています。また、研究グループは「喫煙も心房細動のリスクに影響している可能性がある」と指摘しています。砂糖入り飲料を週に2リットル以上飲む喫煙者は心房細動のリスクが31%高かった一方で、元喫煙者や喫煙経験のない人では有意なリスク増加は認められなかったとのことです。 今回の結果について、研究グループは「私たちの食生活は複雑であり、1種類以上の飲料を飲む人もいるため、ある飲料がほかの飲料よりも健康リスクが高いと断定することはできません。しかし、今回得られた知見から、人工甘味料や砂糖入りの飲料は可能な限り減らすか、避けることをおすすめします。低糖・低カロリーの人工甘味料飲料を飲むことが健康的であると鵜呑みにしないでください。それは、潜在的な健康リスクをもたらすかもしれません」とコメントしています。また、「心房細動のリスクと砂糖・人工甘味料入りの飲料・ピュアジュースとの関係に関するこれらの新しい知見は、心臓の健康を改善するために甘味飲料を減らすことを検討することで、新たな予防戦略の開発を促すかもしれません」とも述べています。