困窮極める中東情勢を全編スマートフォンで撮影 父と娘、渾身のドキュメンタリー2本が同時公開 「ヴィジョン・オブ・マフマルバフ」
モフセン・マフマルバフ監督『子どもたちはもう遊ばない』、ハナ・マフマルバフ監督『苦悩のリスト』、イランの巨匠とその娘がそれぞれ監督したドキュメンタリー2本が同時公開される。 2021年、米軍撤退によってタリバンの復権が間近に迫るアフガニスタンの首都カブール。その恐怖政治から、迫害や殺害の恐れある約800人のアーティストや映画関係者たちを、ほんの僅かでも救おうとする有志の活動を描いた『苦悩のリスト』は、モフセン・マフマルバフ監督本人をはじめ、マフマルバフ・ファミリーの面々が限られた時間の中で膨大なリストからの“選別”を迫られる、緊迫したポリティカルドキュメンタリー。監督はモフセン・マフマルバフ監督の次女、ハナ・マフマルバフ。 2023年、分断が極限化するパレスチナとイスラエル。憎しみと恐れ、そして不安が沸点に達しつつあるエルサレムの旧市街の人々の姿からその深層を探る『子どもたちはもう遊ばない』。旅行 vlog的なフットワークの軽い映像で、エルサレムに住む少数のパレスチナ系の住民を中心に多くの人々と出会いながら、その根源的な問題に迫ろうとする野心的なドキュメンタリー。監督は『パンと植木鉢』『カンダハール』などの、イランの巨匠 モフセン・マフマルバフ。 この2本が「ヴィジョン・オブ・マフマルバフ」として2作品同時公開される。世界のいたるところで紛争が収まらない昨今、何に、どのように目を向けるべきなのか。 映画『苦悩のリスト』『子どもたちはもう遊ばない』は、2024年12月28日(土)より全国順次 2作品同時公開。
otocoto編集部
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