年金を60歳から繰上げ受給し、仕事を減らそうと思います。申請する前に考えるべきことはありますか?
59歳(1965年生まれ)です。高校卒業後、これまで自営業者として働き続けてきました。60歳になったら、年金を繰上げ受給しようと思います。 その分、仕事の量を減らして働き続けるつもりで、60歳以後は「減らした仕事の収入」と「繰上げ受給の年金」で暮らしていく予定です。申請する前に考えておくことはありますか? なお、20歳以後、国民年金保険料はこれまでに納め忘れなどはありません。会社員の経験がないので、厚生年金はありません。
繰上げ受給とは? その影響は?
冒頭で述べた方は、20歳以後、自営業者として国民年金保険料を納め続けてきたので、65歳になると老齢基礎年金を受け取れます。もし、会社員などの経験が1ヶ月でもあれば、併せて老齢厚生年金を受け取れます(本稿では会社員経験がないため老齢厚生年金はありません。以下、老齢基礎年金に絞って述べます)。 本来65歳から受け取る老齢基礎年金を、60~65歳の間に前倒しで受け取り始めることを「繰上げ受給」といいます。前倒しで受け取る分、年金は毎年の受取額が少なくなります。では、どのくらい少なくなるのでしょうか?
繰上げ受給によって、受取額はどのくらい減るのか?
では繰上げ受給によって、年金の受取額はどのくらい減るのでしょうか? 2024年度の老齢基礎年金の額は81万6000円(=1ヶ月当たり6万8000円)です。これは65歳から受け取る場合の額です。もし5年(=5×12ヶ月=60ヶ月)前倒し60歳で受け取ると、受け取る年金の額は、 ・81万6000円×(100%-0.4%×12ヶ月×5年間)=62万160円≒62万200円 になります。1ヶ月当たりの額は5万1683円です。約24%減っている計算です。この24%の減少は60歳で受け取り始めて亡くなるまでの間、ずっと続きます。 年金を前倒しで受け取る(繰上げ受給する)と、前倒し1ヶ月当たり(1962年4月1日以後生まれの人)0.4%減額になり、その受給額は亡くなるまで続きます。 次に、年金の繰上げ受給を申請する前に考えておきたいことを2点、挙げます。