漢方の取り入れ方実践編/服用の注意点は? 副作用はある?【40代・50代、漢方の知識、基本のき② 後編】
Q3 保険はききますか?
A 保険診療の病院で処方されるものは、保険がきく 「漢方薬局やドラッグストアの漢方薬は保険がききませんが、保険診療を行っている病院で処方される漢方薬は保険がききます。 漢方薬局で購入すると、1カ月分で1万~2万円以上と高額なことが多いですが、保険診療の場合、1カ月分で2000~3000円程度、高くても5000円程度なので、経済的な負担が少なく続けやすいです」
Q4 漢方薬は、西洋の薬と併用していいの?
A 自己判断で併用せず、医師や薬剤師に相談を 「すべての薬は、患者さんの症状に合わせて処方されるもので、組み合わせる場合は、安全性を確認する必要があります。風邪薬ひとつとっても同様です。併用する場合は、医師や薬剤師に相談しましょう」
Q5 副作用はないの?
A 漢方薬にも副作用はある 「漢方に使われている生薬は、とりすぎたり、長期間とったりすると、副作用が起きることがあります。 例えば、風邪薬として使われる麻黄湯(まおうとう)や葛根湯(かっこんとう)に含まれる麻黄という生薬は、主成分が、西洋薬に用いられるエフェドリンです。 麻黄には、血管拡張作用や抗炎症作用、心臓刺激作用、鎮咳作用、交感神経刺激作用などがあり、とりすぎると、不眠、動悸、頻脈、興奮、血圧上昇、発汗、多尿などの副作用が起こることがあります。 麻黄を含む漢方薬と、エフェドリンを含む風邪薬を併用すると、副作用の原因になるので避ける必要があります。 ほかにも、漢方薬の約7割に含まれる甘草(かんぞう)という生薬は、多量に長期間とると、むくみや血圧上昇を招きますし、慢性肝炎などに用いられる小柴胡湯(しょうさいことう)という漢方薬は間質性肺炎を招くことがあるので、他剤との併用は禁忌です。 このように漢方薬にも副作用はあるので、医師や薬剤師の指導のもとで服用するのが理想的。また、飲んだあとにこれは副作用かなと思ったときは、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう」
Q6 漢方薬は、自分で気に入ったら、症状が治っても飲み続けてもいいの? また、症状を治すためでなく、予防のために飲むのもアリ?
A その場合は自己責任で、保険はきかない 「医療用の漢方薬は医師が処方するものなので、医師の指示に従って飲みましょう。 一方、市販の漢方薬を続けて飲む場合は、自己責任になります。飲み続けると副作用を招くものもあるので、医師や薬剤師に相談するのがおすすめです。 また、医師は、治療のために薬を使用することは認められていますが、予防目的や、患者の希望による薬の使用の場合は、保険適用外となります。それを理解したうえで、医師に相談してみましょう」 漢方薬を飲みたいと思っても、入手する場所や方法に違いがあること、保険が適用される場合とされない場合があること、医師や薬剤師の指導のもとで服用するのが安心なこと…。さまざまな注意事項がある。 きちんと効果が得られるよう、安心安全な手順や方法で漢方薬を取り入れたい。