元3階級世界王者直伝の秘策あり?!那須川天心がメイウェザーにパンチを当てる公算はあるのか
ボクシング転向は封印
「ブロックに関してはパンチの伸びきったところか、伸びきる前ならガードできる。もっと凄いキックは受け止めているんだから、弾き飛ばされることはないと思う。ただ、見せ場は作らないといけない。そうなると集中していかないと危ない。『もらうなよ!人生かけてパンチを見切れ!集中しろ』とだけは言っている」 天心は、短期間で肉体改造をして体重を増やすよりもベストの動きができるコンディション作りを選択した。 「61キロくらいになるのでは」。そうなると少なくとも5キロ差はあり、かなりのリスクが残る。 しかも147ポンド契約でありながら8オンスのグローブが使用される。通常プロボクシングでは、ウエルター級以上は、安全性を考えて10オンスが義務づけられているが、メイウェザー側は、UFCの2階級王者、コナー・マクレガーとのボクシングマッチも8オンスで戦った経験があり、今回も8オンスグローブの使用を求めてきた。 天心にも覚悟がある。 「世界最強の選手。油断するポイントはひとつもない。本当に一発ももらえない。集中して3分3ラウンド、どのタイミングで打ってきても大丈夫なように精神統一をする。確かに考えすぎて怖いなと思うこともある。でも今までは追われる立場だったが、今回はいい意味でチャレンジャーとしての試合ができる」 試合当日にセコンドにつく予定はないが、なんらかの形でサポートしたいという葛西氏は、「ジムの会長であるお父さんも天心を信じていないと、この話を受けないでしょう。3ラウンドが格闘技人生にプラスになればいい。まだ20歳。将来、ボクシング界に引っ張りたいけどね」と熱いエールを送る。 ちなみに天心のボクシング転向問題については、この日、「凄く面白かった。こんなにもボクシングは奥深いのかと。だが、自分には来年、キックの中での世界一を決めるRISEのトーナメントがある。そこでしっかりと勝つという目標がある。そこをクリアしないと次のステップには進めない。今は考えられない。ボクシングへの興味は凄くあるが今はキックに集中する」と答え、1年間の封印が明らかにされている。 そう遠くない将来に間違いなくボクシングの世界でも頂点に立つであろう逸材が、「20歳にして4階級も上の元5階級王者メイウェザーと戦った男」として名を残せば、それが9分間のエキシビションであっても意義はあるのかもしれない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)