「サザエさん的家族」が減少し、核家族化した令和の夫婦…「一緒に夕飯を食べない」一定層。夫は1年365日、誰と食べているのか【中央大学教授が解説】
『サザエさん』的家族の減少、核家族の増加
まずは、家族形態です。「35歳以上で子どもがいる家庭」は、全体の8割強。その中で、「自分の親と同居している」が男性9%、女性5%、「配偶者の親と同居」も男性3%、女性6%であることがわかりました。 つまり、「両親世帯と同居している三世代家族」という『サザエさん』的家族の在り方は、本当に少数派になったことがわかります。
核家族化した夫婦の生活
では、核家族化した夫婦は、日頃どのような雰囲気で暮らしているのでしょう。 「共通の趣味」で結婚する人が多い 「一緒に楽しむ共通の趣味を持っている」という夫婦は、55~64歳の男女共に4割強、25~34歳では6割強という結果が出ました。案外、「趣味で結びついた夫婦」が多いことに気づかされます。 調査からはわかりませんが、若い人は趣味が合う人を選んで結婚した人が多いと思われますし、年齢が高い夫婦は、結婚後どちらかの趣味に合わせたというケースが多いと思われます。 逆に「趣味が重ならない」夫婦は、二人でいる時に楽しむことがあるのか、新たな興味がそそられるところです。 「夕食を一緒に食べない」夫婦がいる 「毎日夕食を一緒に食べる」はどうか。こちらは、やはり働き盛りの中年世代(30~40代)は4割から5割程度で、高齢世代(50~60代)では6割程度と増えています。仕事で忙しい世代は、外食率も高まり、反対に定年退職が近づくシニア層になると、夫婦一緒に食事をする機会が増えるということでしょう。 ただ、注目すべきは「夕食を一緒に食べるのが、月に数回以下」の人たちが、全体で10%も存在することです。「一年で全くない」という人も3%存在します。 母親であれば、夫と夕食を共にせずとも子どもと食べているケースも多いでしょう。ですが、それなら夫は1年365日、誰と食べているのでしょうか。ふと考えてしまいます。 「日常会話をしない」夫婦も一定数… 食事といえば会話の時間です。「日常会話を毎日交わしている」夫婦は、全体の68%程度。一方、「週に数回程度」が21%、「月に数回以下」が8%もいるというのは、日本特有の夫婦像だと感じました。 この項目もまた、ならば彼らは誰と日常会話を交わしているのか、気になるところです。しかも「週に数回程度しか夫婦で話さない」人が全体の3割近くになるのは、夫婦とは親密なパートナーシップとは言い切れない現実の様相を示唆しています。
【関連記事】
- 50代独身ひとりっ子、遠方の母への仕送り30年「私、こんな苦労する必要なかったのに…」母の死後に判明した驚愕事実
- 「親が亡くなったら、真っ先にコンビニへ走る」が新常識!相続手続きで困らないためにやるべき、たった一つのこと【税理士が解説】
- 定年後は家でダラダラ過ごす年金16万円、65歳の元サラリーマン。「退職金と貯金で2,500万円だし、出不精・倹約家だから大丈夫」と思いきや…老後破産となったワケ【FPが解説】
- 「もうムリ、ごめんね」50代独身ひとりっ子、年金15万円・80代の同居母を残し、生まれて初めて実家を離れた切実理由
- 50歳で独身、うっすら見えてくる孤独死の影…増加する「ミドルシニア未婚者」が若いうちに結婚しなかった「本当の理由」