「この人やばい」太田宏介の前に立ちはだかった長友佑都という名の大きな壁。横浜FC入団会見で発覚したまさかの事実も
「ポゼッション、バイタルエリア、くさびはプロに入って知った」
攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第32回は、愛するFC町田ゼルビアのJ1昇格を花道に、今季限りで18年間のプロ生活に終止符を打った太田宏介だ。 【インタビューPHOTO】「底辺中の底辺からスタート」した太田宏介が愛する町田で有終の美!“幸せを運ぶエンジェルレフティ”を直撃 前編では黒田剛監督が率いる町田の快進撃の理由、気になるセカンドキャリアについて訊いた。後編ではまず、攻守の要であるバイタルエリアでの意識を語ってもらった。 ――◆――◆―― 僕は攻撃が好きなので、攻撃におけるバイタルエリアでの工夫、アイデアはすごく意識してやっていました。クロッサーとしては、バイタルエリアに入る前に一撃でクロスを上げられるように、精度、質は求めながらやってきました。 バイタルエリアを制するチームがその試合を制すと思っています。そこの攻略に関しては、今年のFC町田ゼルビアはなかなか攻撃のバリエーションを増やせなかった課題があります。 あと僕実は、ポゼッション、バイタルエリア、くさびとかはプロに入って知った言葉です。でも2012、13くらいのFC東京で(ランコ・)ポポヴィッチ監督は結構足もとで繋ぐサッカーをして、それこそサイドバックがくさびを入れて、バイタルエリアのフォワードに対して入れるとか。それを使った時のメリットや、そこを使うことでこういう攻撃が次に生まれるよっていうのを練習しながら学ばせてもらいました。なかなか理解するのが難しかったですけどね。 僕は結構、守備的な監督のもとでプレーする機会が多かったので。今年の黒田さんもそうだし、マッシモ・フィッカデンティさんや長谷川健太さんも。守って守って堅守速攻のチームが多かったので、バイタルエリアの攻略を練習で突き詰めるのは、あまりキャリアの中でなかったんですよ。 僕自身のプレースタイルは大外で張って、高い位置でも低い位置でもボールをもらって、ファーストタッチでまず中を向いて、バイタルエリアは無視してでも、キーパーとディフェンスの間に入れて、アシストするみたいな。それを理想としていたので、あまりバイタルエリアに固執したことはなかったです。