副業講師で月10万稼ぐ私が、セミナー準備に30分以上かけない理由とその方法(滝川徹 時短コンサルタント)
■スライドがなくても話は十分伝わる
そんな中、私が今のスタイルに変わったきっかけは心理カウンセラーの心屋仁之助さんのセミナーの様子を映像で見た時でした。 心屋さんは大勢の人の前で話をしていたのに、スライドを作ってなかったんですね。手元におそらく何を話すか忘れないように、紙だけもって話をしてたんです。時折ホワイトボードを活用して説明する。そんなスタイルで話をしていました。 心屋さんの話は、スライドがないからといってわかりづらいといった不便は全くなく、それどころかとてもわかりやすかったのです。自分が受講者という立場で、スライドがないセミナーで問題ないと感じるなら、自分がやるセミナーでも、スライドなしで問題ないはず。このことに気がついたんですね。 それから私自身はスライドを作らない、今のスタイルに落ち着きました。対面のセミナーの際はホワイトボードがある会場を使い、スライドは使わずトークのみです。必要に応じてホワイトボードを使う──こうしたスタイルでセミナーを行うようになったのです。これでセミナーの準備にかける時間は激減。講師の仕事を苦なく続けていけるようになりました。 ただ、もちろん何も準備しないわけではありません。何を話すか忘れないように、当日話をする内容を書き出したメモは用意します。図1はこれを抜粋したものです。 事前に用意するメモは、この程度で十分なのです。だから準備に30分はかからないというわけです。
■伝われば目的達成 ━━ 誰でもメモだけで話せる理由
メモさえしておけば誰でも話せる。私がそうお伝えする理由は、皆さんがセミナーで話をする内容は、皆さんが得意なこと、好きなことを話すからです。 皆さんが好きなこと、たとえば好きなゲームやアイドルについて話をしてくださいと言われたら、ほとんどの人は何も見ずにペラペラと話すことができるのではないでしょうか。それはそのことが得意であり好きだから、苦なく自信をもって話せるからです。皆さん自身のことについて話してくださいと言われた場合も同じですね。自分のことなら、メモなど見ずにいくらでも話すことができるはずです。 もちろん、事前に準備をしていなければ、多少回りくどい説明をしてしまう時もあるでしょう。しかしそれでもいいのです。セミナーで説明するとなると、理路整然と話さないといけない。言い間違いをしてはいけない。そんなふうに思い込んでいる人も多いように思います。しかしそう思うからこそ、メモだけだと話せなくなるのです。 セミナーの目的は、自分が伝えたいことが受講者に伝わることです。つまり、伝われば目的達成なのです。たとえば友達と喫茶店で話をしていて「この表現だと伝わらないかな」と感じたら補足したりしますよね。セミナーもそれでいいのです。 完璧な順番で、一文字も言い間違いをしないように話そう。そんなふうに思えば、原稿を棒読みするしかなくなります。でもそんなセミナー、皆さんが受講者だったら受けたいと思いますか? 少なくとも私なら、セミナーではなくその人のブログや本を読めば十分と感じてしまいます。 セミナーの価値は、その場で味わえるライブ感にあるのではないでしょうか? それなら完璧に話すより、多少言い間違いや回りくどい表現があったとしても、まるで友達としゃべっているような感覚で話したほうが、受講者は嬉しかったりするのです。