オーケー関西出店 特売慣れの消費者にEDLP浸透なるか 業界再編の懸念も
「関西には、ハイローの商売で支持され続ける地元の店が各エリアに残っている。だから寡占化されていない」。食品卸の経営幹部は、関西の小売業界についてこう説明する。 【写真】オーケー・二宮社長 先月26日、オーケーが満を持して関西1号店の高井田店(大阪府東大阪市)をオープンした。多くの業界関係者が注目するのは、オーケーが強みとするEDLP(エブリデーロープライス)が、ハイローに慣れ親しんだ関西の消費者にどこまで受け入れられるかということ。 「特売の買い得感に喜びを感じる関西の消費者の気持ちが、そう簡単に変わるとは思えない」(メーカー)。このように、関西で長年培われてきた商習慣は容易に変わらないだろうという見方が強い。 一方で「時代の流れはEDLP。今後、日替り特売はスーパーにとって足かせになる」(別のメーカー営業担当)との指摘も聞かれる。人手不足に悩むスーパーにとって、EDLPはオペレーションの簡素化につながる面もある。 オーケーの競合店と取引する卸の担当者は「買物客がEDLPの安さを体感するようになると、周辺の店はじわじわと顧客を取られるのでは」と危惧する。関西の有力スーパー各社は価格以外の戦略で対抗する姿勢を強調するが、実際に近隣に出店されると一定の価格対応は避けられない。オーケーは大阪・兵庫を中心に店舗網を広げる構えで、出店した地域では価格競争が強まる公算が高い。 さらに、関西のスーパーが戦う相手は同社だけではない。10月には東京の花正が大阪市に進出。11月末には愛知・岐阜を地盤とするカネスエが大津市に滋賀県内1号店を開いた。 また、関西進出から4年を経てロピアの店舗は20店に到達。バローは先月、関西26店目となる店舗を大阪府松原市に開店した。ドラッグストア各社も引き続き食品の扱いを増やしながら店舗網を拡大している。このように有力チェーンの競争が激化する中、より厳しい戦いを強いられるのが中小の小売業である。商品値上げによる納価アップ、人手不足、システム投資など経営環境はより厳しさを増している。