「白砂糖の摂りすぎ」も顔の“くすみ”に!? 内臓のメッセージが分かる「顔の反射区」をプロが解説
足裏の“反射区”が内臓と関連していることをご存じの人は少なくないでしょう。顔にも反射区があり、各部位が内臓の状態や食習慣と関連しているといわれます。顔のくすみかたを読み解き、インナーケアから対策を講じましょう。 お話を伺ったのは… 奈部川貴子さん(美容アナリスト/鍼灸師)●美容ジャーナリストを経て“肌は内臓の鏡である”と気づき、世界各国の顔の反射区やツボ療法、フェイシャルリフレクソロジーを学ぶ。2022年に鍼灸師の国家資格を取得。これまでの研鑽を基に独自のメソッドを確立する。
“フェイスマッピング”でわかる内臓からのメッセージ
顔から内臓の状態を分析する方法は、中医学における四診のうち“望診”にあたる歴史の古いもの。「顔や手足といった神経の密集しているところには、内臓の様子が投影されている──というのが中医学の基本的な考え方です」と美容アナリストであり鍼灸師の奈部川貴子さん。 「顔のどの部分が、どの内臓を投影するのか、反射区を描いたものが“フェイスマッピング”です。世界には大きく3つのフェイスマッピングの分け方があり、基本は同じなのですが、国や流派により少しずつ異なるところがあります。私のフェイスマッピングも日本人や現代の生活習慣に合わせて微調整をしている独自のものです」 奈部川さんは「顔は噓をつかない」といいます。色の変化や肌あれ、シワやたるみに気づくと私たちはつい目先の美容に走りがちですが、「まずは顔が何かを教えてくれようとしている、と考えてはいかがでしょうか?美容も大切ですが、顔、つまり内臓からのメッセージを無視して表面だけお手入れしても何も変わりません。しかも改善すべき習慣のヒントを見失ってしまうでしょう」 今回は顔色に特に関連する5つのポイントを教えてもらいましたのでご紹介します。「食生活を改善するだけでなく、足のリフレクソロジーのようにツボ押しの刺激にも効果があります」
食習慣の改善に!顔色に関連する反射区のポイント5
①【膵臓】ここの肝斑や盛り上がったシミは白砂糖が過剰 鼻すじの上部とこめかみに肝斑や立体的なシミがあるのは、インスリンを出す膵臓が疲弊しているサインといわれます。更年期なら糖尿病につながる恐れもあるので、白砂糖の摂りすぎに警戒を。 ②【腎臓】目の下のクマやくすみはカフェインや塩分過多ゆえ 腎臓に負担がかかる塩分の多い食事やカフェインを摂りすぎると、目の下にクマ、くすみやたるみが表れます。“減塩”製品より、腎臓に負担が少ない昔ながらの無精製の調味料などを選ぶこと。 ③【胃】頰骨のあたりにトラブルが起きるのは胃の疲れが原因 お酒の飲みすぎやエスニック料理で刺激物を摂りすぎていると、胃に負担がかかり頰骨周辺の毛穴が開きます。顔の中心だけに、全体的に澱んだ印象に。体を冷やす南国の果物も控えてください。 ④【肝臓】アルコールや脂っこい食事が多いと黄色く濁る 眉間や眉毛の上は肝臓の反射区。特に上まぶたや眼球まで黄色いなら早めに肝臓の検査を。肝臓の働きを助けるごぼう茶やたんぽぽ茶、油の分解を促す梅干しやお酢など酸味を摂るのがおすすめ。 ⑤【生殖器】乳製品を摂りすぎると口元や顎まわりに肌あれが多発 乳製品を中心に動物性のタンパク質や、脂肪、塩分の多い食事は生殖器に負担をかけるといわれます。鼻の下のひげや顎のくすみ、吹き出物には食生活を変えて、海藻や大豆を摂るとよいでしょう。 撮影=渡邉宏基(LATERNE) 編集・文=松永裕美(婦人画報編集部) 『婦人画報』2024年7月号