順大・長門監督にあったひとつの覚悟とは 11位と1秒差箱根予選会ギリギリ10位通過
第101回箱根駅伝が、来年1月2、3日に行われる。順大は予選会を薄氷の10位で通過した。過去11度の総合Vを誇る伝統校を率いる長門俊介監督(40)にあったひとつの覚悟とは-。 ぎりぎりで滑り込んだ。前回の第100回箱根駅伝で17位に沈んだ順大。今年は20年以来、5大会ぶりに予選会から本戦を目指すことになった。 10月中旬にもかかわらず強い日差しから気温が上昇し、棄権者も続出した過酷なレース。主力の浅井皓貴(4年)は日本人2番手でゴールしたが、過去11度の総合Vを誇る伝統校も自然相手に苦戦を強いられ、11位と1秒差となる薄氷の10位で本戦切符を得ることになった。 4年生5人、3年生1人、2年生4人の布陣で出走。今年は1万メートルでチームトップの28分13秒67の記録を持つ玉目陸、ハーフマラソンを1時間2分45秒の好タイムで走る川原琉人ら有力な1年生が入学したが、指揮官はあえて起用しなかったという。 第100回大会の復路の鶴見中継所でたすきがつながらなかった悔しさは、経験した選手たちで晴らすしかない。長門監督は「彼ら(1年生)がいればいい戦いができたとは思うが、予選会にまわったのは彼らに全く責任はない。2年生以上で戦わなければいけないと思っていた」と、苦戦してでも予選会に前回メンバーで臨んだ覚悟を明かした。 本戦では「総合5位」を目指す。今季当初はシード権獲得を目標に掲げていたが、総合5位を目指す練習の熱量が本戦10位以内につながるため目標を上方修正した。 2月の世界大学クロスカントリー選手権(オマーン)男子10キロで青学大のエース黒田朝日(3年)を上回った吉岡大翔(2年)ら下級生に、浅井、海老沢憲伸(4年)ら努力を重ねた上級生が融合したチーム。今年4月には“初代・山の神”の今井正人氏もコーチに迎え、準備を進めてきた。 チームスローガンは「下克上」。本戦20番手から目標5位を目指す今の状況は、この言葉にぴったり当てはまる。指揮官は「予選会の時とは別チーム。選手たちが言葉にしていることが、最終的に現実になってもらえればうれしい」と自信をのぞかせる。14年連続66回目の箱根路。伝統校の意地を見せる。(デイリースポーツ・谷凌弥)