（ブルームバーグ）： ヘッジファンド運営会社シタデルのマーケットメーク（値付け業務）部門、米シタデル・セキュリティーズの１－３月（第１四半期）純トレーディング収入は前年同期比68％増の23億ドル（約3560億円）となった。新たな資産クラスや地域への進出に伴い、今年は同社にとって記録的な年になる可能性がある。

非公開情報を理由に事情に詳しい複数の関係者が匿名で明らかにしたところでは、シタデル・セキュリティーズは2024年に過去最高のトレーディング収入を達成する勢いを得た。関係者らによると、同社の純トレーディング収入は22年に過去最高の約75億ドルを記録した後、昨年は約63億ドルに減少していた。

シタデル・セキュリティーズの担当者はコメントを控えた。

資産家のケン・グリフィン氏が創業したシタデル・セキュリティーズは株・債券市場の買い手と売り手をマッチングするマーケットメークを行う。アルゴリズムを使いわずかな価格差から利益を得ており、同社の顧客には資産運用会社や銀行、ブローカーディーラー、ヘッジファンド、政府機関、公的年金が並ぶ。

同社はマーケットメークの能力を着実に伸ばしてきた。１－３月期の利益率は54％と、前四半期（42％）および前年同期（40％）を上回った。ブルームバーグの以前の報道によると、競合するジェーン・ストリート・グループの昨年の純トレーディング収入は106億ドル。

シタデル・セキュリティーズのペン・チャオ（趙鵬）最高経営責任者（ＣＥＯ）は先週開かれたブルームバーグ・セルサイド・リーダーズ・フォーラムで、新商品や新しい地域への進出が奏功し、「第１四半期は非常に好調で、年初来では記録的なペースで推移している」と述べていた。

シタデル・セキュリティーズ、業績は記録的ペースで成長－趙ＣＥＯ

１－３月期のＥＢＩＴＤＡ（利払い・税金・減価償却・償却控除前利益）は約12億6000万ドルと、前年同期の５億5100万ドルから増加した。