開発に10年、ユニクロが力を注ぐ高機能アウター「パフテック」は何がすごいのか
今シーズンだと、メンズは4型、ウィメンズは6型、キッズ/ベビーは5型のアイテムをラインナップしました。UNIQLO UやUNIQLO:Cでもパフテックを使ったアイテムを展開します。
時代とともに多様化するニーズに対応するために
これほど高い完成度を実現できた要因はどこにありますか? UNIQLOが長年培ってきたものづくりのノウハウや技術力によるところも大きいですが、開発の礎になったのはお客様の声です。 昨今の急変する天候や暖冬傾向もあって、アウターに求められるニーズは以前より拡大しています。今やダウンジャケットは軽くて暖かいだけでは十分ではなくなってきているんです。 パフテックには、本物の羽毛に匹敵する軽さと暖かさに加え、着ぶくれしない、携帯できる、脱ぎ着がしやすい、長期間着られる、水に強い、自宅で洗濯できる、といったさまざまな機能を追加することで、多様化するニーズに対応しました。
ー将来的にパフテックはUNIQLOにとってどんなアイテムになっていくのでしょう? ヒートテックやエアリズム、スフレヤーンなど知名度の高いアイテムがたくさんありますが、パフテックに関しても、「UNIQLOの防寒アウターといえば……」、「UNIQLOの中綿といえば……」と呼ばれるようなアイテムに育てていきたいと思います。
UNIQLOの本気がうかがえるグローバルなマーケティング戦略
ーメディアや街中でもパフテックを目にします。 パフテックは世界各国の店舗で展開し、グローバル規模でUNIQLOが最注力していくアイテムです。目指すのは、LifeWearの新しいカテゴリーとして高い認知度を獲得すること、そしてウルトラライトダウンで築き上げた軽量アウター市場でのポジションを拡大することです。 その目標を達成するために、今までにないビッグスケールのマーケティングを実施しました。10月にはファッションウィーク中のパリでブランド設立40周年を記念するイベントを開催し、パフテックを大々的に披露しました。 その後は、欧米や中国、韓国、東南アジアの各国で世界共通の動画を使い、プロモーションを行いました。日本では東京や名古屋、京都、大阪、博多など主要な駅内にラッピング広告を展開し、認知拡大を図りました。 ー今後はどのような進化を遂げていくのでしょうか? UNIQLOは常に時代の流れをリサーチして、お客様の声に耳を傾けながら商品を改良しています。21年間アップデートされ続けているヒートテックはその好例といえるアイテムです。パフテックもヒートテックと同様に進化を続け、いつか既存のダウンジャケットにとって代わる、ひいてはその存在を大きく超えるようなアイテムになることを目指して、技術革新を続けていきます。