E28「5シリーズ」にE34「M5」のエンジンを換装! 多くのBMW専門誌で紹介されたサーキットスペシャルの実際の価値はおいくら?
流札となったのはサーキット専用車が影響した?
オークション出品に際して添付されたヒストリーファイルには、ビルドフォト、長年にわたる請求書、1994年から2009年まで「D758 SGK」として公道走行していた時代の全MoT車検証、このクルマが掲載されたすべての雑誌も含まれている。 アイコニック・オークショネアーズ社のオークション公式ウェブカタログ内では「細部まで丁寧に仕上げられたこの1987年式BMW E28 M5は美しく走り、多くの権威あるモータースポーツ・イベントに参加することができ、再び競争する準備が整っている」と謳いつつ、3万8000ポンド(約750万円)~4万5000ポンド(約890万円)という、その出自を思えばかなり高めともいえそうなエスティメート(推定落札価格)を設定した。 ところが2024年8月23日に行われた競売では、売り手側が設定した「リザーヴ(最低落札価格)」には届かなかったようで、残念ながら「No Sale(流札)」に終わってしまった。 たしかに、これだけのチューニング内容とそれに投じた費用を考慮すれば、上記のエスティメートも理解できなくはないものの、やはり純正のM5ではなく、あくまで520iをベースとした改造車であること。そして、サーキットレース専用車両であることも合わせて考えるとマーケットは明らかに狭く、今回のオークションにおけるバイヤーのなかにはその条件を呑むことのできるうえに、懐の充分に暖かい愛好家がいなかった……、ということなのだろう。
武田公実(TAKEDA Hiromi)
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