元幕内・炎鵬が連勝発進 脊髄損傷の長期休場から復帰3場所目「ここまで闘えているのが自信になっている」
◆大相撲 ▽九州場所4日目(13日・福岡国際センター) 脊髄損傷のため7場所連続休場から復帰3場所目の、元幕内で西三段目56枚目の炎鵬(伊勢ケ浜)が連勝スタートを決めた。東同55枚目の大雷童(高田川)の突っ張りになかなか懐に入ることはできなかったが、下からあてがいながら前進。ベテラン44歳の元十両を力強く押し出した。「経験豊富な方なので、こっちは何も考えずに思い切りいけました。下から攻められたので、良かったですね」と納得顔で振り返った。 炎鵬は十両だった昨年夏場所、持病の首痛が悪化。初日から9連敗を喫した後に部屋へ戻ると体が動かなくなり、翌日から休場を余儀なくされた。脊髄損傷のため2週間の入院中は寝たきり。当初は握力が10キロ程度まで落ち、箸も持てなかった。医師から手術を勧められ、日常生活に戻るために相撲は断念するよう告げられた。だが不屈の闘志で復帰への道を歩み、1本のひもを結ぶ練習から始まった壮絶なリハビリなどの日々を乗り越えてきた。 復帰となった今年の名古屋場所は序ノ口で6勝1敗、序二段に番付を上げた秋場所も6勝1敗の成績を残し、三段目まで番付を戻してきた。日々、自らの体の状態と向き合いながらの土俵が続くが「一番一番、いろんな状況の中で、ここまで闘えているのが自信になっています」と、うなずいた。そして「まだ2番が終わったばかりなので、3番目の土俵に上がれるようにしたいです」と次なる一番に目を向けた。
報知新聞社