個人年金保険は「一括受取り」と「分割受取り」どちらがお得? 受取り時に税金はかかる?
個人年金保険とは、おもに老後資金を賄う目的で積み立てを行う私的保険です。個人年金保険にはさまざまな種類があり、受け取り条件や受け取り方法などが異なります。 今回は、個人年金保険の一括受取りと分割受取りの違いや、受取時にかかる税金について解説します。実際の個人年金保険のシミュレーション結果もご紹介しているため、参考にしてください。
個人年金保険の種類
個人年金保険の種類とその特徴は、表1の通りです。 表1
※公益財団法人 生命保険文化センター 「主契約の種類」を基に筆者作成
個人年金保険の受取方法
ここでは、個人年金保険の受取方法について解説します。 ■個人年金保険の一括受取り 一括受取りのメリットは、定年後にこれまでに積み立ててきた金額をまとめて受け取れる点です。個人年金保険を一括で受け取る場合は、所得税の一種である一時所得が課せられますが、最高50万円の特別控除が適用されてその分所得税をおさえられます。 一時所得は、受け取る個人年金の総額からこれまでに支払った保険料と特別控除の50万円を引いた分で計算できます。例えば、受け取る個人年金の総額が500万円で、これまでに支払った保険料が450万円とすると、一時所得は0円となり税金がかかりません。 ■個人年金保険の分割受取り 個人年金保険の分割受取りは、これまで積み立てた金額から毎月一定額を受け取る方法です。分割受取りで受け取る際は雑所得がかかり、一括受取の場合に課される一時所得とは計算方法が異なります。 雑所得は、その年に受け取る年金額から、その金額に対する保険料や運用時の掛け金を差し引いて計算可能です。
個人年金保険の一括受取りと分割受取りではどちらがお得?
実際に個人年金保険の一括受取りと分割受取りで、どの程度の金額差があるのかシミュレーションしてみましょう。試算条件は以下の通りとします。 ●契約年齢40歳(男性) ●据置期間なし ●毎月の保険料2万円 ●年金受取年齢65歳 これらで個人年金保険の試算を行うと、一括受取の場合は609万円程度、分割受取の場合は618万円程度の年金が受け取れます。一括受取りよりも分割受取りの方が、9万円程度多く受け取れる結果となっているようです。 ただし、据置期間がある場合や毎月の保険料の上下により、最終的に受け取れる金額に差が生まれる点を認識しておきましょう。