<プロ野球>狭き門を突破した注目すべき新人野手は?
■実質21人が開幕1軍を射止める セ、パの開幕を28日に控えたプロ野球では26日、開幕1軍の登録が行われ、新人選手からは19人が登録された。楽天の松井裕樹と広島の大瀬良大地は、次カードで先発予定のため開幕メンバーから外れたため、実質21人のルーキーが、念願の開幕1軍の座を射止めた。 内訳は、21人中、投手は14人、野手は7人で、やはり、新人野手にとっては、狭き門となったが、巨人の小林誠司や、ロッテの“アジャ井上”ら派手なルーキーが取り上げられる一方で、野手として開幕スタメンをほぼ確実にしている新人が3人いる。広島のサードマン、田中広輔(JR東日本からドラフト3位)、ヤクルトのショートストップ、西浦直亨(法大からドラフト2位)、日本ハムの岡大海(明大からドラフト3位)の3人だ。 ■苦労人の広島・田中は「1番・サード」 広島の田中は、野村監督が「1番・サード」での起用を宣言している。本来は、ショートだが、サードで起用され、その堅実な守備に加えて、オープン戦での長打率が.667。一発を秘めた1番打者として開幕スタメンの座をゲットした。JR東日本では社会人ナンバーワン遊撃手として、その守備への評価は「即戦力で使える」と高かったが、バッティングの方は、広角に打てるが、プロの投手に対応できるのか?と疑問符をつけるスカウトも少なくなかった。だが、東海大4年時から、社会人にかけて進化してきた技術は、プロに入ってさらに磨きがかかったようである。 田中は、巨人の開幕投手、菅野智之と東海大相模―東海大を通じて同級生だった。だが、菅野が、大学時代から日本代表、プロ候補として脚光を浴びている裏で、田中は、その代表選考合宿で打撃投手や球拾い、グランド整備などの裏方をしていた。あれから数年の時間を経て、ようやく同じプロの舞台で勝負することになった。まるで「うさぎと亀」の物語のようであるが、苦労してきた分だけ、ここ一番に強い。「虎視眈々といつでもいける準備をしたい」と田中も闘志を胸に秘める。