「USJ」の舞台裏に独占密着!最も暑い夏…熱中症との闘い
実はパーク内には、体調を崩した客を応急手当てする「ファーストエイド」という救護施設があり、看護師の資格を持った「ナースクルー」が常駐している。大阪府内の総合病院で5年間、看護師をしていた北圭子さんもそのひとり。気温が高くなると体調不良者が増えるため、15床あるベッドが全て埋まることもあるという。熱中症が疑われる客の体をすぐに冷やせるように、冷凍庫には大量の氷を用意していた。 30℃を超える真夏日になった6月下旬、ファーストエイドに「体調不良者が出た」との連絡が入った。車椅子とAEDを用意し、北さんが現場に出動することに…果たして客は無事なのか?
災害級の暑さに備えたプロジェクト 切り札となるか
かつてない災害級の暑さが迫るこの夏。USJは、特別チームを結成し、熱中症対策に乗り出した。プロジェクトリーダーの西村昭彦さんが去年設置したのが、水を霧状に吹きかけて周囲の温度を下げる「ミストファン」。 これまでパーク内に点在させていたが、今年はミストファンを1カ所に9台集めて、客に思い切り涼んでもらえる新たなスポットをつくるという。名付けて「メガ・クール・ゾーン」。 しかも、ただ涼めるだけではなく、水鉄砲を使って的当てゲームを楽しめるエリアを併設する。西村さんは「エンタメ要素を加えれば、夏の『USJ』ならではの楽しみ方が提供できる」と期待を込める。果たして、「メガ・クール・ゾーン」は、猛暑を吹き飛ばす切り札となるのか。
一方、「USJ」のバックヤードに集まっていたのは、麦わら帽子をかぶった集団。タンクを背負ってパーク内を歩き回る彼らの正体は、クルーが熱中症にかかるのを防ぐために結成された「オアシス隊」だ。炎天下で働くクルーに声をかけ、タンクに入れた冷たいスポーツドリンクを提供している。 リーダーを務めるのは、10年前に入社した人事部の島田悠史さん。学生時代、USJでポップコーン販売のアルバイトをしていて、夏場に水分を取らず体調を崩した経験があったという。 「クルーがゲストを楽しませようと夢中になってしまい、自分の体調管理を忘れてしまうことがある。それを気づかせるためにもドリンクを提供している」と話す。 客の笑顔はクルーの元気あってこそ。ドリンクで喉を潤したクルーは、「命の水です。生き返りました」とオアシス隊の取り組みに感謝した。 4年前にオアシス隊の立ち上げに尽力した島田さん。年々強まる暑さに危機感を抱き、今年はオアシス隊の人数を20人に倍増した。
そして午後10時30分。営業を終えて静まり返った夜の「USJ」に、何やら大きな装置を運ぶ人たちの姿があった。史上最も暑い夏を乗り切る秘密兵器……その正体とは? ※「ガイアの夜明け」より
テレ東プラス