文楽の世界を堪能 南房総で「人形劇フェスティバル」開催(千葉県)
南房総市の第34回南房総人形劇フェスティバルの千秋楽が18日、同市のとみうら元気倶楽部で行われ、文楽公演でイベントの幕を閉じた。昨年は台風で文楽が中止になったため、2年ぶりの開催となった。昼夜の2公演に延べ275人の観客が詰め掛け、人間国宝の3世桐竹勘十郎さんらの熱演を楽しんだ。 冒頭の「文楽の魅力」では、勘十郎さんが「今年は台風もそれ、無事にできてうれしい。今回の演目は、昨年上演できなかった。ぜひ楽しんでいただけたら」とあいさつ。弟子の勘次郎さんが文楽を上演する際の仕組みやルール、見どころを解説。人形の扱い方や特徴などについて説明した他、その場で希望者を募って、3人の観客が舞台上で人形づかいを体験する場面もあった。 その後、「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)金殿の段」を上演。大化の改新を題材にさまざまな伝説を織り込んだ内容で、観客らは勘十郎さんが操る酒屋の娘「お三輪」の細かな人形の繊細な動きが作り出す表情に魅せられていた。