半年ぶりのゴールに滲ませた「レイソルの10番」の矜持。柏レイソルU-18・戸田晶斗が“最後の2か月”で期すのは支えてくれたみんなへの恩返し【NEXT TEENS FILE.】
迎えた2024年シーズン。戸田は新チームの10番に指名される。「自分はユースからレイソルに入ってきた時に、『絶対に10番を付けたい』と思っていたので、今年は自分が10番だと聞いた時は本当に嬉しかったです」。誰よりも自分自身に期待しながら、U-18で過ごす最後の1年に歩みを進めていく。
一定のパフォーマンスを出せている実感はあった。だが、不思議とゴールだけが付いてこない。「正直プレー自体はそんなに悪くなかったですけど、最後にゴールを決めるというところで、なかなか決め切れなくて、藤田(優人監督)さんからも『プレー自体は悪くないけど、最後のところだな』とは言われていました」。3節のFC東京U-18戦で今季初得点を挙げてから、リーグ戦では実に半年近くもゴールから見放されることになる。
9月7日。ホームで大宮アルディージャU18と対峙した試合後。チームは2-1で競り勝ったにもかかわらず、10番は悔し涙を流していた。「(吉原)楓人とかモハ(ワッド・モハメッド・サディキ)とかみんなはゴールを決めているのに、自分は決められなくてチームに迷惑を掛けていたので、悔しさと情けなさがありました」。なかなか結果の出ない状況の中で、本来得意にしているフォワードやトップ下ではないポジションで起用されることも。悩みは深さを増していく。
だが、戸田には自分を信じてくれる人たちが付いていた。「LINEでも『ゴールを決めるのを待ってるよ』と言ってくれる人がいて、保護者の方や久しぶりに会った仲間にも『いつも結果を気にしてるよ』とか言われますし、本当にたくさんの人が自分のことを応援してくれているんです」。みんなのためにも、必ず結果を出す。ベクトルを自分に向け直し、とにかくその時を引き寄せるために、日々の努力を積み上げていく。
日立台で首位の横浜FCユースと激突する一戦は、両者の勝点差を考えても負ければ優勝の可能性がほとんど消滅する、柏U-18にとっては“超重要”な90分間。「今日は自分がフォワードで出ることはわかっていたので、絶対にゴールを決めてやると思っていました」。気合は十分すぎるほどにみなぎっていた。
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