衆院選当選の新人議員初登院、波乱含みの船出に表情引き締め…女性当選者は過去最多15・7%
前日午後11時から待ち「来るなら一番で」
特別国会が召集された11日、10月の衆院選で当選した新人議員らが初めて登院した。自民党派閥の政治資金問題で与党は大敗を喫し、衆院で過半数を割り込んだ。波乱含みの船出に議員たちは喜びを語りつつ、表情を引き締めた。 【グラフ】衆院選で当選した政党別の新人議員数
国会議事堂の正門に一番乗りしたのは、日本維新の会の阿部圭史氏(38)(比例近畿)。「来るなら必ず一番で」と10日午後11時前から雨が降る中、傘を差して夜を明かした。「全く疲れていない」と明るい表情を見せながら、「日本の政治の大きな転換点。野党第2党として存在感を示す時が来た。何万票も託していただいた期待に応えたい」と気を引き締めた。午前8時に門が開くと、他の議員ら約30人と一礼し、議事堂へ向かった。
自民幹事長などを歴任した甘利明氏(75)を破った立憲民主党の大塚小百合氏(44)(神奈川20区)は、同党の新人議員らと議事堂をバックに記念写真に納まった。特別養護老人ホームの施設長を務めた経験から、持続可能な社会保障制度の確立を目指すといい、「長時間労働や低賃金を是正し、介護従事者の処遇の改善を図っていきたい」と抱負を語った。
最年少の当選者となった自民の大空幸星(こうき)氏(25)(比例東京)は、午前9時半頃に姿を現し、登院ボタンを押した。出馬した東京15区は近年、自民国会議員による汚職事件や公職選挙法違反事件が相次ぎ、強い逆風下での比例復活当選だった。「新人でも期数を重ねていてもバッジの重みは同じ。若い人たちのリアルな声を国会に届けたい」と語った。
年内の臨時国会では政治資金規正法の再改正が焦点となる。大空氏は、「組織に新しい風を入れないといけない。党執行部にも、間違っていると思うことはしっかりと意見を言っていきたい」と力を込めた。
新人当選者の最高齢は国民民主党の円より子氏(77)(比例東京)。参院議員を3期務めて以来、14年ぶりの国政復帰となった。「色んな人に久しぶりに会って浦島太郎のようだ。年齢は関係ないと思っているので、気を引き締めて謙虚に取り組みたい」と声を弾ませた。