「お兄さんたちと一緒に、投げる、打つ、走る」静岡県立富士高校、小学生チームと野球イベント
晴天の富士山を背景に
5月4日、朝7時半、富士高校の校庭には高校生と、富士市内、静岡県下から集まった3チームの小学生が集結していた。 天気は快晴、富士高校のグラウンドの正面には、富士山の壮大な景色が広がっている。日本全国を探しても、これだけ美しい景色を見ながら野球ができる舞台はないのではないか。 早速、高校生たちによるデモンストレーションが始まった。 高校生たちは、内外野のノックや、バッティング、投球を小学生たちに披露した。 このデモンストレーションは、未就学児童の野球教室でも実施してきた。 「高校生のお兄さんが投げるボールの速さ、ゴロをさばくスピード、打球の速さなどを目の当たりにしてもらって、野球ってすごいんだな、僕らも頑張れば、あんな風に野球ができるようになるんだな、と思ってもらうことが目的なんです」 稲木監督は語る。 小学生たちは、硬式ボールを使ったデモンストレーションを目を輝かせてみていた。また、小学生たちには実際に硬式球を手に取って、その硬さや重さを実体験する機会も作られた。
ウォーミングアップから学ぶ
このあと、小学生たちは高校生と混じって「ウォーミングアップ」をした。 野球をする準備として、どんなアップをするのか、一つ一つ高校生が手本を示しながら、やってみせる。小学生が見よう見まねでやってみせる。 高校生たちは、うまくできなくても、ダメだよ、とはいわない。 「もっとこうすればいい」「そう、すごくいいじゃん」「できたじゃん」とポジティブな声掛けをして、小学生を乗せていく。 そういう形でウォーミングアップをしながら、だんだん高校生と小学生が打ち解けていくのが分かった。 「大人の僕たちが『こうするんだよ』というより、年代が近いから、高校生がやって見せる方が、小学生にはわかりやすいんですね。彼らもこうして小学生に教えることで、自分がやっているウォーミングアップの意味を理解することにもなる。何事でもそうですが、教えることで、学ぶことは多いんですね」