「五輪の25周 夢のよう」 陸上女子1万メートル・五島選手が来社
パリ五輪に出場した陸上女子1万メートルの五島莉乃選手(26)=資生堂、金沢市出身=は16日、帰国あいさつで北國新聞社を訪れ、「五輪で走った25周は夢のような時間だった。世界との差を感じることができたので、今後は一つ一つ階段を上がって壁を越えていきたい」と語った。 五島選手はレースの結果を報じた北國新聞を見て「こんなふうに載ってたんだ」と喜び、紙面にサインした。「石川の皆さんから力をもらって、どんな時も頑張れた」とふるさとの応援に感謝した。 レース序盤はトップで走り、声援を一身に浴びた五島選手。初の大舞台を「特別な雰囲気はあったけど、思ったより緊張しなかった」と振り返り、大観衆の前で走れた幸せを語った。 ●母が届けたどら焼き 代表決定後、合宿地の米国から直接パリに向かった五島選手は、好物のどら焼きを持ってきてほしいと応援に来る母晶子さんに依頼。日本で購入したどら焼きを選手村まで届けてもらった。 石川陸協の澤田剛紀専務理事、五島選手を小学生時代に指導した金沢市小学生陸上教室の野村泰裕監督、晶子さんが同行した。 ●金沢マラソン「いつか出たい」 県庁、市役所も訪問 五島選手は同日、石川県庁と金沢市役所も訪れ、馳浩知事、村山卓市長とそれぞれ懇談した。市役所で職員約150人に迎えられた五島選手は、金沢マラソンについて「いつか出てみたい。私の走りで地元に勇気、元気を与えて恩返ししたい」と話した。 馳知事は「(被災地)復旧復興に向けて小中学生らと一緒に走る機会などをつくり、能登の皆さんを励ましてほしい」と協力を求めた。