ホンダと日産の持ち株会社設立、総合的にはポジティブ-ムーディーズ
(ブルームバーグ): ホンダと日産自動車の持ち株会社設立案は、両社の信用力に全体的にはポジティブであるものの、ホンダにとってはリスクを伴うと、ムーディーズ・レーティングスが指摘した。
シニアアナリストのディーン・エンジョー氏は、事業規模の拡大は特に信用指標が低い日産にとって信用力の強化につながると指摘。両社は研究開発コストを共有することも可能になると述べた。
一方、ホンダは二輪車事業に比べて四輪車事業の利益率が低く、日産の自動車事業を吸収する柔軟性は低下するとも指摘した。
両社は2023年に日本を抜いて世界一の自動車輸出国となり、24年も躍進を続ける中国の新興メーカーとの競争に直面している。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジョエル・レビントン氏と吉田達生氏は、ホンダと日産には異なる企業文化を融合させるという課題もあるとリポートに記した。
ムーディーズのエンジョー氏は、ホンダが発表した最大1兆1000億円の自社株買いについて、その資金に充てる現金と負債の金額によっては、同社の流動性や信用評価が低下するため、信用上マイナスだとも指摘した。
ムーディーズによるホンダの格付けは「A3」と、投資適格の下限である日産の「Baa3」より3段階高い。ホンダの株価は24日の取引で一時17%急騰。日産株はホンダとの交渉の可能性が明らかになった18日に24%上昇した。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Ayai Tomisawa