【エリザベス女王杯 俺のチェックポイント】年内で引退予定のモリアーナ、休み明けを使われての上昇度は?
エリザベス女王杯の追い切りが6日、東西のトレセンで行われた。「俺のチェックポイント」3日目は、東京サンスポの吉田桜至郎記者が美浦でモリアーナの追い切りに目をこらした。GⅡ勝ちのある実力牝馬は、今年いっぱいでの引退を予定。集大成となる一戦への上昇ぶりをリサーチした。 混戦ムードが漂うエリザベス女王杯。追い切り日に注目したのはモリアーナだ。昨秋にGⅡの紫苑Sを快勝するなど現4歳世代で屈指の実力馬。しかも、年内での引退を予定しているだけに、この一戦に懸ける陣営の思いは並々ならぬものがあるはず。休み明けの府中牝馬S(8着)を使われての上昇度を探った。 この日の美浦は晩秋らしい冷え込みだったが、少し寒さが和らいだ午前11時前にWコースに姿を見せた。序盤からしっかりと集中して走り、絶好の手応えで直線へ。弾むようなフットワークで滑らかに加速すると、馬なりで5ハロン67秒7―11秒2の好時計をマークした。もともと調教駆けするタイプにしても素軽い動きは大幅な上積みを感じさせ、「息の入りもいいし、心臓がだいぶ鍛え上げられましたね。稽古はイメージ通りです」と武藤調教師は合格点を与えた。 ここ2走は振るわないが、「クイーンS(12着)は外を回されてロスが多かったし、府中牝馬Sは展開が向かなかった」と悲観の色はない。年齢を重ねるにつれて前向きすぎる気性がネックになってきたが、調教では角馬場を入念に10周ほどして落ち着かせてからコース入りするなど工夫をこらしてきた。「(馬体は)若い頃に比べるとすさまじく成長している」と指揮官は目を細める。 週末の京都は雨の可能性もあるが、今年1月には不良馬場のAJCCで4着。牡馬相手にメンバー最速の末脚で0秒2差まで詰め寄ったことを思えば道悪は歓迎だろう。「馬場はぬかるんだ方がコントロールが利きやすそう。能力があるのは知っているから、何とか悔いのないレースをしたい」とトレーナーは意気込んだ。追い切り後の雰囲気や天気予報をチェックしながら、最終的な印を決めたい。(吉田桜至郎)