石破首相、GXビジョンやエネ基の素案年内とりまとめ指示「経済停滞打破する大きな機会」
石破茂首相は31日に開催されたGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で、2040年に向けた脱炭素化や産業政策の方向性を示す「GX2040ビジョン」、中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」、温室効果ガス削減目標などを盛り込んだ「地球温暖化対策計画」の素案を年内に取りまとめるよう指示した。 石破政権でGX実行会議が開催されるのは初。首相は同日の会合で「GXの取り組みは脱炭素技術への投資をきっかけにして、30年来の日本経済の停滞を打破する大きなチャンスだ」と強調した。 GX2040ビジョン、エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画という3つの計画は今春から議論が始まっており、取りまとめに向け大詰めを迎えている。ロシアのウクライナ侵攻などでエネルギーを巡る不確実性が高まる中で、首相は「投資の予見可能性を高めるためにも、GXによる産業構造や産業立地の将来像のビジョンを示す必要がある」と述べた。 二酸化炭素(CO2)の排出削減に向けては、企業のCO2排出量に上限を設け、その過不足分を企業間で売ったり買ったりできる排出量取引制度について、詳細設計を定めた法改正案の検討を来年の通常国会に向けて進めるよう指示した。 首相はエネルギー政策を巡り、原発の最大限活用を掲げた岸田文雄前政権の方針を踏襲する方針で「GX加速に向けた当座の取り組みを具体的な施策として取りまとめ、経済対策に盛り込む」と語った。