息子2人育てる障害のある夫婦「どう思われるか不安」保育園の保護者には障害打ち明けられず #令和の子 #令和の親
▽隠しているわけではないけど…保育園のほかの保護者に障害を打ち明けられず
2022年、北海道のグループホームでは、結婚を希望する知的障害者が不妊処置を受けていた問題も明らかになった。守さんは「障害があると、自立するよう周囲から求められる。でも、働いて、家族をつくり、生活することも自立の一つなんじゃないか」と訴える。 UCHIでは聡恵さんのような親子をこれまで6組支援しており、うち4組がグループホームを出て生活している。牧野賢一理事長(59)は「困った時に、周囲が手を差し伸べる環境ができているか。当事者が『誰にどう相談するか』を自分で考えて行動できるか。こうした点を確かめて出てもらっている」と話す。 職員に助けを借りることができ、知人や友人も少なくない聡恵さんだが、実はまだ保育園の保護者に親しい人はいない。自身の障害を隠しているわけではない。大学の授業で自身のことを話したり、テレビに出演したりしたこともある。でも「自分が障害者だと伝えたら相手はどう感じ、どう接するかと思うと悩む。どう伝えればいいのか」と葛藤している。陽飛君は春から小学生。「同級生のお母さんたちと付き合いが必要になる場面が増えるのではないか。どうか自然に受け入れてほしい」と話す。 グループホームを出て家族だけで生活できるか、今はまだ自信を持ちきれないでいる。時間はかかっても、少しずつ変わっていきたい。「できないと決めつけないで、見守ってほしい」。そう願っている。 この記事は、共同通信社とYahoo!ニュースの共同連携企画です。
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