「閉経すると性欲はなくなる?」 知られざる高齢女性の“性”の最前線…近年増え続ける「HKJ」の実態とは
「HKJ」とは何か
「男性は、年齢に応じて勃起力が衰えれば、自然とセックスから遠ざかるものです。同時に女性も閉経を迎えればセックスと縁がなくなるものだと、むかしから思われてきました。しかし実は、女性のほうはそうともいいきれなくなっているのが、近年の特徴です」 そう語るのは、長年、このテーマを取材してきた、あるフリーの雑誌ライターである。 「わたしは閉経を迎えてもセックスを楽しんでいる女性を、外でも声に出していえるよう、“暗号”でHKJ(閉経熟女)と呼んでいます。いままで多くのHKJにインタビューしてきました。彼女たちに共通しているのは、いわゆる更年期障害がほとんどないか、とても軽くて、その時期もセックスをつづけていたことです」 ここからライター氏の話は、なにやら医学用語が多い専門的な内容になるのだが、噛み砕いて綴ると、こういうことのようだ。 「女性の体内からはエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが分泌されています。これらが生理や妊娠、出産などにともなう女性特有の健康をつかさどっているわけです。しかし更年期になると、その分泌が急激に減り、閉経を迎えます。日本人の平均的な閉経年齢は、50.5歳です。ところが女性の体内には男性ホルモンであるテストステロンも、わずかですが分泌されているのです」 このテストステロンには性衝動を高揚させる働きがあり、“天然媚薬”などと呼ぶひともいるのだという。 「更年期で女性ホルモンは激減しますが、男性ホルモンのほうは、もともと少量分泌なので、さほど減らないひとがいるのです。そういう女性は、更年期に“男性ホルモン過多”となり、急激にセックスを求めるようになります。なかには、うっすらとヒゲが生えてくる女性もいます。そして、この時期にセックスをしていると、男性ホルモンが安定分泌されるような状態となり、閉経後もセックスを楽しめるHKJとなるのです」 今回、ライター氏の紹介で、まさにその道を歩んでいるHKJを紹介してもらい、インタビューさせていただいた。